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九州大学 2014年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

Aさんは5円硬貨を3枚,Bさんは5円硬貨を1枚と10円硬貨を1枚持っている。
2人は自分が持っている硬貨すべてを一度に投げる。
それぞれが投げた硬貨のうち表が出た硬貨の合計金額が多い方を勝ちとする。
勝者は相手の裏が出た硬貨をすべてもらう。
なお,表が出た硬貨の合計金額が同じときは引き分けとし,硬貨のやりとりは行わない。
このゲームについて,以下の問いに答えよ。

(1) AさんがBさんに勝つ確率p,および引き分けとなる確率qをそれぞれ求めよ。

(2) ゲーム終了後にAさんが持っている硬貨の合計金額の期待値Eを求めよ。

難易度4/ 10計算量5/ 10目安18

確率 期待値、数え上げ、場合分け

方針

Aの表の枚数を i=0,1,2,3 として、Aの得点、場合の数、負けたときに残る金額をまとめる。Bは2枚の硬貨の表裏4通りについて、得点と裏硬貨の金額を表にする。勝敗数はこの2つの表の組み合わせで数える。期待値は、各場合でゲーム終了後にAが持つ金額を計算して全32通りで平均する。別解として、Aが勝てばBの裏硬貨を得て、Aが負ければAの裏硬貨を失う、という増減額で期待値を検算する。

解答

(1)

Aさんの表の枚数を i とすると、Aさんの表金額は 5i 円であり、そのような出方は 3Ci 通りである。したがって Aさん側はi表金額場合の数00115321033151である。

Bさんは5円硬貨と10円硬貨を1枚ずつ持っているので、表金額は 0,5,10,15 の4通りであり、それぞれ1通りずつ起こる。全体の場合の数は 25=32 通りである。

Aさんが勝つ場合を数える。Aの表金額が5円のときは、Bが0円のときだけ勝つので 3 通り。Aが10円のときは、Bが0円または5円のとき勝つので 32=6 通り。Aが15円のときは、Bが0円、5円、10円のとき勝つので 3 通りである。よって #{Aが勝つ}=3+6+3=12 であり、p=1232=38 である。

引き分けは、AとBの表金額が等しい場合である。金額0,5,10,15に対して場合の数はそれぞれ 1,3,3,1 なので、合計 1+3+3+1=8 通りである。したがって q=832=14 である。

(2)

ゲーム終了後にAさんが持つ金額を数える。Bさんの4通りについて、表金額と裏硬貨の合計金額はBの表金額Bの裏硬貨の金額015510105150である。

Aさんが勝つと、Aさんは自分の15円に加えてBさんの裏硬貨を得る。Aさんが負けると、Aさんは自分の裏硬貨を相手に渡すので、Aさんの手元には表が出た硬貨の金額だけが残る。引き分けなら硬貨のやりとりはなく、Aさんは15円のままである。

Aの表金額ごとに、Bの4通りに対するAの終了後金額の合計を出すとAの表金額A側の場合の数Bの4通りに対する終了後金額の合計01155330+15+5+5=5510330+25+15+10=8015130+25+20+15=90である。よって全32通りにおけるAさんの終了後金額の総和は 115+355+380+190=510 である。したがって期待値は E=51032=25516 円 である。

別解

解法2(増減額の期待値)

方針

勝敗の確率は解法1と同じく全32通りから数える。期待値は終了後の所持金を直接列挙せず、初めの15円に「Aが勝って受け取るBの裏硬貨の期待額」を足し、「Aが負けて渡すAの裏硬貨の期待額」を引く。Bの出方、Aの表枚数をそれぞれ固定すると、独立性を使って短く集計できる。

解答

(1) Aの表金額は0円、5円、10円、15円で、その場合の数は順に (1,3,3,1) 通りである。Bの表金額は0円、5円、10円、15円が各1通りである。したがってAが勝つ場合は31+32+13=12 通りであり、引き分けは (1+3+3+1=8) 通りである。全32通りは同様に確からしいからp=1232=38,q=832=14である。

(2) Aの初めの所持金は15円である。まず、Aが勝って受け取るBの裏硬貨の期待額を求める。

Bの表金額が0円のとき、確率は (1/4)、裏硬貨は15円であり、Aは少なくとも1枚が表なら勝つ。その確率は (7/8) である。Bの表金額が5円のとき、裏硬貨は10円で、Aが勝つのは3枚中2枚以上が表のときだから確率は (4/8) である。Bの表金額が10円のとき、裏硬貨は5円で、Aが勝つのは3枚すべてが表のときだけだから確率は (1/8) である。Bの表金額が15円なら受取額は0円である。よって受取額の期待値は151478+101448+51418=15032円である。

次に、Aが負けて渡すAの裏硬貨の期待額を求める。Aの表が0枚、1枚、2枚のときの確率はそれぞれ (1/8,3/8,3/8)、裏硬貨の金額は15円、10円、5円である。このときBに負ける確率はそれぞれ (3/4,2/4,1/4) である。Aの表が3枚なら負けない。したがって支払額の期待値は151834+103824+53814=12032円である。

以上より、終了後のAの所持金の期待値はE=15+1503212032=25516 円である。

総評

難度4、計算量5。目安時間は18分。確率自体は全32通りの有限な場合分けだが、硬貨のやりとりが「相手の裏硬貨」だけである点を読み違えると期待値が大きくずれる。勝敗判定には表金額だけを使い、終了後の金額には裏硬貨の移動を反映する、という2段階で整理するのが安全である。Aの表枚数でまとめると表が小さくなり、勝ち・負け・引き分けの各場合を同じ表で確認できる。期待値では単位が円であることも最後に明記したい。 第2解法では、受取額と支払額を別々の確率変数として期待値を計算し、直接列挙の結果を検算した。

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出典: 九州大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。