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九州大学 2015年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

チームAとBが複数回試合を行って優勝チームを決めるものとする。
ただし,いずれの試合においても,引き分けはないものとし,
チームAが勝つ確率はq (0<q<1)であり,各試合の勝敗は互いに独立に決まるとする。
このとき,次の2種類のルールを考える。

ルール1: 最大3回試合を行い,先に2勝したチームを優勝とする。

ルール2: どちらか一方が2連勝するまで試合を繰り返し,2連勝したチームを優勝とする。

以下の問いに答えよ。

(1) ルール1を採用した場合に,チームAが優勝する確率P1(q)qで表せ。

(2) ルール2を採用した場合に,チームAが優勝する確率P2(q)qで表せ。

(3) P1(q)P2(q)となる条件を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

確率 独立性の利用、確率漸化式、場合分け

方針

ルール1は最大3試合なので、Aが2連勝する場合と、3試合目で2勝目を得る場合を直接数える。ルール2は試合が続く可能性があるため、直前の勝者がAかBかを状態として、そこからAが優勝する確率の連立方程式を立てる。最後は P1(q)P2(q) を因数分解し、0<q<1 で符号が変わる因子だけを見る。

解答

(1)

チームAが勝つ確率は q、Bが勝つ確率は 1q である。ルール1でAが優勝するのは、次のいずれかである。

1つ目は、Aが最初の2試合に連勝する場合で、確率は q2 である。2つ目は、最初の2試合を1勝1敗で終え、3試合目にAが勝つ場合である。最初の2試合の勝敗は AB,BA の2通りであり、それぞれ確率は q(1q) である。したがってこの場合の確率は 2q(1q)q=2q2(1q) である。

よって P1(q)=q2+2q2(1q)=q2(32q) である。

(2)

ルール2では、直前の試合でどちらが勝ったかを状態として考える。直前にAが勝っている状態から、最終的にAが優勝する確率を X とする。また、直前にBが勝っている状態から、最終的にAが優勝する確率を Y とする。

直前にAが勝っている状態で次にAが勝てば、Aが2連勝して優勝する。その確率は q である。次にBが勝てば、直前にBが勝っている状態へ移る。したがって X=q+(1q)Y である。

直前にBが勝っている状態では、次にBが勝てばBが優勝してAは優勝しない。次にAが勝てば、直前にAが勝っている状態へ移る。したがって Y=qX である。

これらを連立して X=q+(1q)qX より {1q(1q)}X=q である。すなわち X=q1q+q2 である。また Y=q21q+q2 である。

最初の1試合でAが勝つ確率は q、Bが勝つ確率は 1q であるから、P2(q)=qX+(1q)Y=qq1q+q2+(1q)q21q+q2=q2+q2(1q)1q+q2=q2(2q)1q+q2である。

(3)

(1) , (2)より P1(q)P2(q)=q2(32q)q2(2q)1q+q2 である。通分するとP1(q)P2(q)=q2{(32q)(1q+q2)(2q)}1q+q2=q2{14q+5q22q3}1q+q2=q2(q1)2(2q1)1q+q2である。 0<q<1 において、q2>0(q1)2>0、また 1q+q2=(q12)2+34>0 である。したがって P1(q)P2(q) の符号は (2q1) の符号と同じである。よって P1(q)P2(q) となる条件は 2q10 であり、0<q<1 と合わせて 0<q12 である。

別解

解法2(勝敗列の等比級数)

方針

ルール1は終了する勝敗列を直接数える。ルール2は最後に初めて AA が現れる列を、開始がAかBかで分けて等比級数として和を取り、最後に2確率の差を因数分解する。

解答

ルール2を勝敗列の等比級数として数える。

(1)

ルール1でAが優勝する勝敗列は AA,ABA,BAA である。よってP1(q)=q2+2q2(1q)=q2(32q)である。

(2)

ルール2でAが優勝する列は、最後が初めての AA となり、それ以前は勝者が交互に現れる。
最初がAの列とBの列に分けるとP2(q)=q2n=0{q(1q)}n+(1q)q2n=0{q(1q)}n=q2(2q)1q(1q)=q2(2q)1q+q2である。0<q(1q)<1 なので、2つの等比級数は収束する。

(3)

分母 1q+q2 は常に正でありP1(q)P2(q)=q2(q1)2(2q1)1q+q2である。0<q<1 では q2(q1)2>0 だからP1(q)P2(q)    2q10となる。したがって条件は0<q12である。

総評

難度5、計算量4。目安時間は18分。ルール1は直接数え上げでよいが、ルール2は試合数が固定されないため、状態を置くか等比級数に直す必要がある。状態方程式では、直前A勝ちの状態 X と直前B勝ちの状態 Y を分けると2本の式で閉じる。比較では分母 1q+q2 が常に正であることを確認し、符号を 2q1 だけに絞るのが採点上の要点である。等比級数の別解は、ルール2の構造を直感的に把握する助けになる。

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出典: 九州大学 2015年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。