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九州大学 2014年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

2以上の自然数nに対して,関数fn(x)fn(x)=(x1)(2x1)(nx1)と定義する。
k=1,2,,n1に対して,
fn(x)が区間1k+1<x<1k
ただ1つの極値をとることを証明せよ。

難易度7/ 10計算量5/ 10目安20

微分関数 増減表、計算整理、存在証明

方針

区間 1/(k+1)<x<1/k には fn(x) の零点がないので、fn(x)=0fn(x)/fn(x)=0 と同値に扱える。積の微分を用いて fn(x)/fn(x)=j=1n1/(x1/j) と表し、この右辺を g(x) とおく。g(x)<0 なので単調減少し、区間の左端で +、右端で に発散することから、零点がただ1つある。最後に fn の符号が区間内で一定であることを使い、その零点で極値をとることを示す。

解答

fn(x)=(x1)(2x1)(nx1) である。fn(x)=0 となるのは x=1,12,,1n のときである。したがって、区間 1k+1<x<1k では fn(x)0 である。

この区間で fn(x)/fn(x) を考える。積の微分を用いると、各因子を1つずつ微分した項の和になるのでfn(x)fn(x)=1x1+22x1++nnx1である。ここで jjx1=1x1/j だから fn(x)fn(x)=j=1n1x1/j である。

右辺を g(x)=j=1n1x1/j とおく。すると g(x)=j=1n1(x1/j)2<0 であるから、g(x) はこの区間で単調に減少する。

また、x1/(k+1)+0 のとき、項 1x1/(k+1)+ に発散し、他の項は有限の値に近づく。したがって limx1/(k+1)+0g(x)=+ である。一方、x1/k0 のとき、項 1x1/k に発散し、他の項は有限の値に近づく。したがって limx1/k0g(x)= である。

よって単調減少性と連続性から、この区間に g(x)=0 を満たす点がただ1つ存在する。区間内では fn(x)0 なので、これは fn(x)=0 を満たす点がただ1つ存在することと同値である。

さらに、g(x) はその点の左側で正、右側で負である。fn(x) は区間内で0にならないので符号が一定であり、fn(x)=fn(x)g(x) の符号はその1点を境に必ず変化する。したがって fn(x) は区間 1k+1<x<1k でただ1つの極値をとる。

別解

解法2(ロルの定理と次数)

方針

多項式 fn1,1/2,,1/n を相異なる零点にもつ。隣り合う零点の間ごとにロルの定理を使えば、導関数の零点が少なくとも1つずつ得られる。一方 fnn1 次式なので、全体でそれ以上の零点をもてない。最後に区間内で fn の符号が一定であることから、その1点が実際に極値を与えると確認する。

解答

fn(x)n 次多項式であり、相異なる零点1, 12, 13, , 1nをもつ。各 k=1,2,,n1 について、閉区間[1k+1,1k]の両端で fn の値は0である。したがってロルの定理により、開区間1k+1<x<1kには fn(x)=0 となる点が少なくとも1つ存在する。

このような区間は互いに交わらず、全部で n1 個ある。一方、fn(x)n1 次多項式だから、相異なる実数解を n1 個より多くもつことはできない。よって各区間には fn(x)=0 となる点がちょうど1つずつ存在する。

さらに、各区間の内部では fn(x)0 であり、連続性から符号は一定である。両端では0、内部では同符号の0でない値をとるので、区間内のただ1つの停留点で、符号が正なら極大値、負なら極小値をとる。したがって fn(x) は各区間でただ1つの極値をとる。

総評

難度7、計算量5。目安時間は20分。積で定義された多項式の微分を、そのまま展開せず fn/fn の形で扱うのが決め手である。区間内には根がないため割り算が正当化でき、g(x)=1/(x1/j) の単調減少性に帰着する。左端で +、右端で になる項がそれぞれ j=k+1j=k であることを明示すると、零点の存在と一意性がはっきりする。最後に、導関数の零点があるだけでなく符号が変わるので極値である、と書くのが重要である。 第2解法は、隣接する零点間へロルの定理を適用し、導関数の次数で個数を確定する問題の意図に沿った方法である。

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出典: 九州大学 2014年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。