Evolton

九州大学 2015年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

座標空間における直方体ABCDEFGHにおいて,
ABCDの座標をそれぞれ
(0,0,2)(2,0,2)(2,4,2)(0,4,2)
EFGHの座標をそれぞれ
(0,0,0)(2,0,0)(2,4,0)(0,4,0)とする。
また,線分ADs:(1s)に内分する点をI,線分FGt:(1t)に内分する点をJとする。
ただし,0<s<10<t<1である。このとき,以下の問いに答えよ。

(1) 線分AJと平面BEIの交点をPとし,
ベクトルABADAE
それぞれbdeとしたとき,
ベクトルAP
bdestで表せ。

(2) 平面BEIに対して垂直なベクトルを求めよ。ただし,そのx成分は1とする。

(3) ベクトルAPが平面BEIに対して垂直となるとき,stで表せ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安22

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算内積の利用文字消去

方針

AB,AD,AE を基底として、各点の位置を係数で表す。平面 BEI 上の点は B,E,I の重み付き平均で表せるので、AJ 上の点 P と係数比較して AP を求める。法線ベクトルは平面上の2方向 BE,BI に垂直なベクトルとして計算する。最後は AP が法線ベクトルと平行になる条件から st の関係を出す。

解答

AB=b,AD=d,AE=eとおく。座標で見れば b=(2,0,0),d=(0,4,0),e=(0,0,2) である。

(1)

I は線分 ADs:(1s) に内分するので AI=sd である。また点 J は線分 FGt:(1t) に内分する。FA から見て b+eGb+d+e の位置にあるから、AJ=b+td+e である。 P は線分 AJ 上にあるので、ある実数 λ を用いて AP=λ(b+td+e) と書ける。

一方、P は平面 BEI 上にある。平面 BEI 上の点は、実数 u,v,wu+v+w=1 を満たすものを用いて ub+ve+w(sd) と表せる。したがって、b,d,e の係数を比較すると u=λ,ws=λt,v=λ である。よって u+v+w=λ+λ+λts=1 となる。したがって λ=s2s+t である。

ゆえに AP=s2s+t(b+td+e) である。

(2)

平面 BEI 上の2方向ベクトルとして BE=eb=(2,0,2)BI=sdb=(2,4s,0) を取る。

求める垂直ベクトルを、x 成分が1であることから (1,Y,Z) とおく。これが BE に垂直である条件は (1,Y,Z)(2,0,2)=0 すなわち 22Z=0 であり、Z=1 を得る。また BI に垂直である条件は (1,Y,Z)(2,4s,0)=0 すなわち 2+4sY=0 である。よって Y=12s である。

したがって求めるベクトルは (1,12s,1) である。

(3)

(1) より、AP の向きは b+td+e=(2,4t,2) の向きと同じである。これが平面 BEI に垂直になるには、(2)の法線ベクトル (1,12s,1) と平行であればよい。

第1成分と第3成分を見ると、(2,4t,2)=2(1,12s,1) となる必要がある。第2成分を比較して 4t=1s である。したがって s=14t である。ただし、もとの条件 0<s<1 を満たすためには 14t<1 すなわち t>14 である必要がある。

直方体と点 I,J、直線 AJ、平面 BEI の位置関係を模式的に描くと次のようになる。

別解

解法2(平面方程式と直線の媒介表示)

方針

3点 B,E,I から平面方程式を直接作り、直線 AJ の媒介表示を代入して交点を求める。平面方程式の係数を法線ベクトルとして使い、平行条件から s,t の関係を出す。

解答

平面の方程式と直線の媒介表示を、座標から直接求める。

B=(2,0,2)E=(0,0,0)I=(0,4s,2) である。平面 BEIx+y2sz=0で表される。実際、B,E,I の3点はいずれもこの式を満たす。

一方、J=(2,4t,0) なので、直線 AJ 上の点は実数 λ を用いて(x,y,z)=(2λ,4tλ,22λ)と表せる。

(1)

これを平面の方程式へ代入すると2λ+4tλ2s(22λ)=0である。よってλ=s2s+tとなる。したがってAP=s2s+t(2,4t,2)=s2s+t(b+td+e)である。

(2)

平面の方程式の係数から法線ベクトルは(1,12s,1)である。これは指定通り x 成分が 1 である。

(3)

AP の向きは (2,4t,2) である。これが上の法線ベクトルと平行になる条件は(2,4t,2)=2(1,12s,1)である。第2成分から4t=1s,s=14tを得る。0<s<1 も満たすには t>1/4 が必要である。

総評

難度6、計算量5。目安時間は22分。直方体の座標をそのまま扱ってもよいが、b,d,e を基底として使うと係数比較が見通しやすい。(1) では平面 BEI 上の点を B,E,I の重み付き平均で表し、係数和が1になる条件を使うのが核心である。(2) は BE,BI の2本に垂直なベクトルを求めればよい。(3) では s=1/(4t) だけでなく、0<s<1 から t>1/4 が必要である点まで確認したい。

冊子PDFで見る九大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2015年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。