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九州大学 2016年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

座標空間内に点A(2,3,0),点B(2,1,0),点C(2,3,4)がある。
また,ベクトルm=(1,1,3)に平行で点D(1,2,0)を通る直線l
ベクトルn=(b,1,c)に垂直で点E(0,a,0)を通る平面πがある。
平面πは直線lを含んでいる。以下の問いに答えよ。

(1) ABCの面積を求めよ。

(2) abをそれぞれcの式で表せ。

(3) 平面πが線分ACと線分BCの両方と共有点をもち,
ABCの面積を2等分するときのcの値を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安25

ベクトル図形と方程式 座標設定面積計算必要十分条件

方針

平面が直線を含む条件は、法線ベクトルが直線の方向ベクトルと垂直であること、さらに直線上の点 D が平面上にあることの2つで表す。(3)では平面と AC,BC の交点をそれぞれパラメータ u,v で表し、0u,v1 の線分条件を必ず確認する。面積二等分条件から候補の c を出したあと、その候補が線分条件を満たすかまで照合する。

解答

(1) AB=(4,4,0),AC=(4,0,4)である。したがってAB2=32,AC2=32,ABAC=16.BAC=θ とおくとcosθ=163232=12,よって sinθ=3/2 である。したがって[ABC]=12ABACsinθ=83である。

(2)

平面 π の法線ベクトルは (b,1,c) であり、直線 l の方向ベクトルは m=(1,1,3) である。平面 π が直線 l を含むので、まず (b,1,c)(1,1,3)=0 である。よって b+1+3c=0,b=1+3c である。

また、直線 l 上の点 D(1,2,0) は平面 π 上にある。平面は点 E(0,a,0) を通り、法線ベクトルが (b,1,c) であるから (b,1,c)(DE)=0 である。すなわち b+(2a)=0 なので a=b+2=3+3c である。したがって a=3+3c,b=1+3c である。

(3)

線分 AC 上の点を X=A+u(CA)=(2+4u,3,4u)(0u1) とおく。X が平面 π 上にある条件に、(2)の a,b を代入すると (2+4u)(1+3c)+3(3+3c)+4cu=0 である。これを解くと u=9c+24(4c+1) である。ただし 4c+1=0 のときはこの式の分母が0になり、実際に上の方程式は成り立たないので、線分 AC との共有点をもたない。

次に、線分 BC 上の点を Y=B+v(CB)=(2,1+4v,4v)(0v1) とおくと、Y が平面 π 上にある条件は 2(1+3c)+(1+4v)(3+3c)+4cv=0 である。よって v=23c4(c+1) である。ただし c+1=0 のときも線分 BC との共有点をもたない。

平面が線分 AC と線分 BC の両方と共有点をもち、交点を X,Y とすると、切り取られる三角形 CXY は三角形 CAB と相似で、面積比は [CXY][CAB]=(1u)(1v) である。面積を2等分するには (1u)(1v)=12 が必要である。ここで 1u=7c+24(4c+1),1v=7c+24(c+1) だから、(7c+2)216(4c+1)(c+1)=12 となる。整理すると (7c+2)2=8(4c+1)(c+1) すなわち 17c212c4=0 である。したがって候補は c=6±22617 である。

しかし、これらは線分条件を満たさない。まず c1=6+22617 のとき、c1>1 で分母 4(c1+1) は正であるが、23c1=1662617<0 なので v<0 である。したがって交点は線分 BC 上にない。

次に c2=622617 のとき、4c2+1>0 である一方、9c2+2=88182617<0 なので u<0 である。したがって交点は線分 AC 上にない。

よって、問題文の条件をすべて同時に満たす c は 存在しない。

別解

解法2

方針

(1) は3辺の長さから正三角形と判定する。(2)は平面の方程式へ直線のパラメータ表示を代入し,恒等式の係数を比較する。(3)は平面の左辺を頂点で評価し,線分と交わるための符号条件を先に求めてから,面積二等分で得た候補を範囲から除外する。

解答

(1)
3辺の長さを調べるとAB2=42+(4)2=32,AC2=42+42=32,BC2=42+42=32.したがって ABC は一辺 42 の正三角形である。よって[ABC]=34(42)2=83.(2)
平面 π の方程式はbx+y+cza=0(1)と書ける。直線 l 上の点はD+sm=(1s,2+s,3s)である。これを(1)へ代入すると(b+2a)+s(b+1+3c)=0.直線全体が平面上にあるため,これはすべての実数 s で成り立つ。したがってb+2a=0,b+1+3c=0.ゆえにa=3+3c,b=1+3c.(3)
(2)を(1)へ代入し,左辺をFc(x,y,z)=(1+3c)x+y+cz(3+3c)とおく。頂点での値はFc(A)=9c2,Fc(B)=3c2,Fc(C)=7c+2.(2)平面が線分 AC と交わるには Fc(A)Fc(C)0,線分 BC と交わるには Fc(B)Fc(C)0 が必要十分である。(2)からc27 または c29,かつ27c23.よって両線分と交わり得る範囲はc=27または29c23.(3)c=2/7 では平面は頂点 C だけで両線分と交わり,切り取る三角形の面積は0なので除く。

交点を XAC, YBC としp=CXCA,q=CYCBとおく。Fc は線分上で一次的に変化するからp=Fc(C)Fc(C)Fc(A)=7c+24(4c+1),q=Fc(C)Fc(C)Fc(B)=7c+24(c+1).したがって[CXY][CAB]=pq.面積を二等分する条件は pq=1/2 であり,(7c+2)2=8(4c+1)(c+1).整理すると17c212c4=0,したがってc=6±22617.(4)正符号の値は 2/3 より大きい。また負符号の値は27<622617<29であり,(3)の空白区間に入る。よって(4)のどちらも両線分と交わる条件を満たさない。したがって,条件を満たす c は存在しない。

総評

難度7、計算量7。直線を含む平面の条件までは標準的だが、(3)は面積二等分条件で得た候補をそのまま答えにしてはいけない。目安時間は25分程度。採点上の山は、AC,BC 上のパラメータ u,v を置き、面積比 (1u)(1v) を作ったあと、0u,v1 を検査する部分である。問題文通りに読むと、二等分条件から出る2つの候補はいずれも線分条件を破るため、該当する c は存在しない。ここを曖昧にせず、候補の不適合まで書く必要がある。

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出典: 九州大学 2016年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。