方針
面積比はアフィン変換で保たれるので、三角形を扱いやすい座標に置いてよい。まず ,, として面積を1にそろえ、内分点 の座標を出す。(1)はCevaの定理で共点条件を確認し、(2)以降は各直線をパラメータ表示して を求める。最後の面積は、座標の差の行列式を使うと符号と分母を一括して整理できる。
解答
,, とおく。この三角形の面積は であり、内分比と面積比はこの座標化で変わらない。内分点はである。
(1)
,, である。3直線 ,, が1点で交わるためのCevaの条件は であるから、 となる。これを解いて より である。
(2)
は 上にあるので、 とおくと である。また は 上にもあるから、ある実数 を用いて と表せる。座標を比較すると である。第1式から であり、これを第2式に代入して すなわち を得る。したがって である。
次に は 上にあるので、 とおくと である。また は 上にもあるから、ある実数 を用いて と表せる。座標を比較して を得る。第2式から であり、これを第1式に代入すると である。よって となるから である。
(3)
は と の交点である。 上で とおき、 上で とおく。座標を比較すると である。第2式から であり、これを第1式に代入して より を得る。したがって である。三角形 の面積はである。
(4)
(2) よりであり、(3)より である。したがって である。差を代入して分母を にそろえると となる。いま なので分母 は正であり、面積は である。 で3直線が共点となり、 が一致して面積が0になることも、この式と一致している。
別解
解法2
方針
三角形 に関する正規化重心座標を使う。3本の線分は重心座標の成分比だけで表せるため,共点条件と各交点を連立一次式で求められる。面積比は重心座標の1成分または3点の座標行列式から直接計算する。
解答
点 をと表し, を の重心座標とする。内分比からである。したがって3直線はと表せる。
(1)
3式を同時に満たす点が存在するには,(1)よりが必要である。三角形内の点なので であり,を得る。よってである。
(2)
について(1)と成分和1を用いると一方, だから である。第3成分を比べてである。
同様に はまた の重心座標はだからである。
(3)
では成分和が1なので重心座標の第1成分は に等しい。問題では だからである。
(4)
三角形内の3点の重心座標を行に並べた行列式の絶対値は,もとの三角形に対する面積比に等しい。よって では分母は正であるから,絶対値の処理にも問題はない。
総評
難度7、計算量7。内分比から交点と面積を求める典型問題だが、文字 が残るため、途中で比の向きや交点名を取り違えると最後の式が大きく崩れる。(1)のCevaは短く済む一方、(2)以降は座標を一貫して使うのが最も安定する。目安時間は20分前後。得点源は の座標、 の導出、 の固定値、最後の行列式整理である。特に , の比の向き、また の範囲で面積の符号を確認することが重要である。