方針
現在どの頂点にいても、次の1回で に移るサイコロの目がちょうど1つだけあることを確認する。すると、直前の位置の分布がどのようなものでも、次の1回で にいる条件付き確率は常に である。全確率の考え方で、2回後・3回後・一般の 回後を同じ理由で処理する。
解答
各頂点から、次の1回で に移る目を調べる。
にいるときは、6の目が出ると 軸に関して対称な位置、すなわち 自身にとどまる。1から5の目では 以外へ移るので、 から へ移る目は6だけである。
にいるときは、1から5の目で反時計まわりに進む。 から に戻るには、頂点番号を6で割った余りで考えて となる目 が必要である。これはのように、各頂点でちょうど1つずつ存在する。6の目による対称移動は、 と 、 と を入れ替え、 は動かさないので、これも上の唯一性を崩さない。
したがって、ある回の直前にどの頂点にいても、次の1回で にいる確率は常に である。
(1)
1回投げた後の位置がどこであっても、2回目で に移る確率は である。よって である。
(2)
2回投げた後の位置がどこであっても、3回目で に移る確率は である。したがって3回後に にある確率も である。
(3)
は自然数である。 回投げた後の位置がどの頂点であっても、次の1回で に移る目はちょうど1つである。よって全確率を足し合わせると、 回後に にある確率はである。したがって である。
別解
解法2
方針
1回後に6頂点へ一様に分布することを示し,その一様分布が次の1回でも保たれることを帰納的に証明する。各目による移動が頂点集合の置換であるため,どの到着頂点にも同じ総確率が流れ込む。
解答
最初の位置は である。1から5の目ではそれぞれへ移り,6の目では にとどまる。したがって1回後には6頂点のどこにいる確率も であり,一様に分布している。
この一様分布が1回の操作で保たれることを示す。到着先 を1つ固定する。1から5の各目 について,反時計回りに 個進んで に着く出発点はただ1つある。よって,1から5の目によって へ入る確率の合計はまた, 軸対称は頂点集合上の1対1対応であるから,6の目によって に着く出発点もただ1つである。その確率はしたがって次の回の後に にいる確率はこれは のすべてで成り立つ。よって帰納法により,1回以上投げた後の位置は常に6頂点上の一様分布である。
したがってである。
総評
難度4、計算量3。見かけは確率過程の問題だが、各頂点から に入る目が1つだけという対称性を見抜けば非常に短い。目安時間は8分程度。2回後、3回後を個別に樹形図で計算し始めると手間が増えるため、まず「直前の位置によらない」性質を確認したい。注意点は、6の目では反時計まわりに6進むのではなく、 軸対称に移ること、また は6の目でその場に残ることである。