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九州大学 2016年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

箱の中に,白色の球がn個,青色の球がn個,赤色の球がn個入っている。
それぞれの色の球には1からnまでの番号が重複なく書かれている。
ただしn=1のときは,それぞれ番号1が書かれた白球,青球,赤球が1個ずつ入っているとする。
箱から球を1個取り出して箱に戻すことを3回行う。以下の問いに答えよ。

(1) n3とする。取り出された球のうち少なくとも1個の番号が3であるとき,
取り出された3個の球の番号の合計値が9である条件つき確率を求めよ。

(2) n1とする。取り出された球のうち少なくとも1個は1が書かれた赤玉であるとき,
取り出された3個の球がすべて赤玉である条件つき確率p(n)nの式で表せ。

(3) n1とする。(2)で求めたp(n)の最小値を求めよ。

(4) n1とする。(2)で求めたp(n)について,
limnp(n)を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安20

確率場合の数 条件付き確率、数え上げ微分による最大最小

方針

条件付き確率は、同じ大きさの順序つき試行結果を数えて求める。(1)では色は分子・分母で同じだけ掛かるので番号だけを数え、和が9で少なくとも1つが3となる順序つき三つ組を n=3,4,n5 に分ける。(2)では「赤の1番」という特定の球を少なくとも1回含む事象を補集合で数え、(3)(4)は得られた有理式の差と最高次の係数を見る。

解答

(1)

番号だけに注目する。3回の取り出しで得られる番号の順序つき三つ組のうち、少なくとも1つが3であるものは n3(n1)3=3n23n+1 通りである。色の選び方は各回3通りずつあるが、分子にも分母にも同じく 33 倍がかかるため、条件付き確率では打ち消し合う。

次に、番号の和が9で少なくとも1つが3である三つ組を数える。ある1つの位置を3に固定すると、残り2つの番号の和は6である。

n=3 のとき、残り2つは (3,3) しかないので、三つ組は (3,3,3) の1通りである。

n=4 のとき、和が6となる残り2つは (2,4),(3,3),(4,2) である。3の位置の選び方を考えると一度は9通りと数えられるが、(3,3,3) が重複して数えられる。包除原理により 93+1=7 通りである。

n5 のとき、和が6となる残り2つは (1,5),(2,4),(3,3),(4,2),(5,1) である。3の位置を指定した数え上げと、(3,3,3) の重複補正により 153+1=13 通りである。

したがって求める条件付き確率は{119(n=3),737(n=4),133n23n+1(n5)である。

(2)

3回の取り出しを順序つきで数える。全体では各回 3n 通りである。赤の1番の球を少なくとも1回含む取り出し方は、補集合を使って (3n)3(3n1)3=27n29n+1 通りである。

そのうち3個とも赤玉で、かつ赤の1番を少なくとも1回含むものは、赤玉だけに限って番号を数えればよい。したがって n3(n1)3=3n23n+1 通りである。よって p(n)=3n23n+127n29n+1 である。

(3)

(2) の式について差を調べる。 p(n+1)p(n)=6(9n2+n3)(27n29n+1)(27n2+45n+19) である。n1 では分母は正であり、分子も 9n2+n39+13=7>0 だから、p(n+1)>p(n) である。よって p(n)n1 で単調に増加し、最小値は n=1 のときである。 p(1)=119 したがって 119 が最小値である。

(4)

最高次の係数を比較すればlimnp(n)=limn3n23n+127n29n+1=19である。

別解

解法2

方針

(1) は和が9となる番号の多重集合を先に分類し,順列数を数える。(2)は事象の個数ではなく,「すべて赤」と「赤1番を少なくとも1回含む」の確率を補集合で直接計算する。(3)は p(n)p(1) を因数分解して最小値を示す。

解答

(1)
番号の和が9で,少なくとも1つが3である三つ組を,順序を無視して分類する。3を1つ除くと残り2数の和は6だから,可能性は{3,3,3},{2,3,4},{1,3,5}だけである。

{3,3,3} の並べ方は1通り,残り2つは各6通りである。したがって,条件を満たす順序つき三つ組の数は{1(n=3),1+6=7(n=4),1+6+6=13(n5).一方,少なくとも1回番号3が出る順序つき三つ組はn3(n1)3=3n23n+1通りである。色の選択は条件付き確率の分子・分母で打ち消し合うので,求める確率は{119(n=3),737(n=4),133n23n+1(n5)である。

(2)
「3回とも赤」を A,「赤の1番を少なくとも1回含む」を B とする。各回で赤の1番を引く確率は 1/(3n) だからP(B)=1(113n)3.また A の確率は 1/27 であり,すべて赤であるという条件のもとでは番号は 1,,n から一様に選ばれる。よってP(AB)=127{1(11n)3}.したがってp(n)=P(AB)=127{1(11/n)3}1(11/(3n))3=3n23n+127n29n+1.(3)p(n)119=6(n1)(5n3)19(27n29n+1).n1 では右辺は0以上で,等号は n=1 のときに限る。したがって最小値は119である。

(4)
分子・分母を n2 で割るとp(n)=33/n+1/n2279/n+1/n219.

総評

難度7、計算量6。条件付き確率そのものは標準的だが、(1)は番号と色を分けて考える判断、(2)は特定の1個の球を含む列を補集合で数える判断が必要である。目安時間は20分程度。特に(1)では n=3,4,n5 で和が6となる2数の候補数が変わるため、場合分けを省くと誤答になりやすい。(3)は有理式の差を正確に整理して単調性を示すのが採点点で、最小値を極限と混同しないよう注意したい。

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出典: 九州大学 2016年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。