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九州大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

t0<t<1を満たす実数とする。
面積が1である三角形ABCにおいて,辺ABBCCA
それぞれ2:1t:1t1:3に内分する点をDEFとする。
また,AEBFBFCDCDAEの交点をそれぞれPQRとする。
このとき,以下の問いに答えよ。

(1) 3直線AEBFCDが1点で交わるときのtの値t0を求めよ。

以下,t0<t<t0を満たすものとする。

(2) AP=kAECR=lCDを満たす実数klをそれぞれ求めよ。

(3) 三角形BCQの面積を求めよ。

(4) 三角形PQRの面積を求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 面積比、座標設定文字消去

方針

面積比はアフィン変換で保たれるので、三角形を扱いやすい座標に置いてよい。まず A=(0,0)B=(2,0)C=(0,1) として面積を1にそろえ、内分点 D,E,F の座標を出す。(1)はCevaの定理で共点条件を確認し、(2)以降は各直線をパラメータ表示して P,Q,R を求める。最後の面積は、座標の差の行列式を使うと符号と分母を一括して整理できる。

解答

A=(0,0)B=(2,0)C=(0,1) とおく。この三角形の面積は 1 であり、内分比と面積比はこの座標化で変わらない。内分点はD=(43,0),E=(2(1t),t),F=(0,34)である。

(1)

AD:DB=2:1BE:EC=t:(1t)CF:FA=1:3 である。3直線 AEBFCD が1点で交わるためのCevaの条件は ADDBBEECCFFA=1 であるから、2t1t13=1 となる。これを解いて 2t=3(1t),5t=3 より t0=35 である。

(2)

PAE 上にあるので、AP=kAE とおくと P=(2k(1t),kt) である。また PBF 上にもあるから、ある実数 s を用いて P=B+s(FB)=(22s,34s) と表せる。座標を比較すると 2k(1t)=22s,kt=34s である。第1式から s=1k(1t) であり、これを第2式に代入して kt=34{1k(1t)} すなわち 4kt=33k+3kt,k(t+3)=3 を得る。したがって k=3t+3 である。

次に RCD 上にあるので、CR=lCD とおくと R=C+l(DC)=(4l3,1l) である。また RAE 上にもあるから、ある実数 u を用いて R=uE=(2u(1t),ut) と表せる。座標を比較して 4l3=2u(1t),1l=ut を得る。第2式から u=(1l)/t であり、これを第1式に代入すると 4l3=21lt(1t) である。よって 4lt=6(1l)(1t),l(62t)=6(1t) となるから l=3(1t)3t である。

(3)

QBFCD の交点である。BF 上で Q=(22s,34s) とおき、CD 上で Q=(4u3,1u) とおく。座標を比較すると 4u3=22s,1u=34s である。第2式から s=43(1u) であり、これを第1式に代入して 4u3=283(1u) より 4u=2+8u,u=12 を得る。したがって Q=(23,12) である。三角形 BCQ の面積は12det(243112)=121+43=16である。

(4)

(2) よりP=(6(1t)t+3,3tt+3),R=(4(1t)3t,2t3t)であり、(3)より Q=(2/3,1/2) である。したがって PQR=12det(QP,RP) である。差を代入して分母を (t+3)(3t) にそろえると 12det(QP,RP)=(35t)26(9t2) となる。いま 0<t<t0=3/5 なので分母 9t2 は正であり、面積は (35t)26(9t2) である。t=3/5 で3直線が共点となり、P,Q,R が一致して面積が0になることも、この式と一致している。

別解

解法2

方針

三角形 ABC に関する正規化重心座標を使う。3本の線分は重心座標の成分比だけで表せるため,共点条件と各交点を連立一次式で求められる。面積比は重心座標の1成分または3点の座標行列式から直接計算する。

解答

XX=λAA+λBB+λCC,λA+λB+λC=1と表し,(λA,λB,λC)X の重心座標とする。内分比からD=(13,23,0),E=(0,1t,t),F=(14,0,34)である。したがって3直線はAE: tλB=(1t)λC,BF: λC=3λA,CD: λB=2λA(1)と表せる。

(1)
3式を同時に満たす点が存在するには,(1)より2tλA=3(1t)λAが必要である。三角形内の点なので λA\neqq0 であり,2t=3(1t)を得る。よってt0=35である。

(2)
P=AEBF について(1)と成分和1を用いるとP=(tt+3,3(1t)t+3,3tt+3).一方,P=(1k)A+kE だから P=(1k,k(1t),kt) である。第3成分を比べてk=3t+3である。

同様に R=CDAER=(1t3t,2(1t)3t,2t3t).また R=(1l)C+lD の重心座標は(l3,2l3,1l)だからl=3(1t)3tである。

(3)
Q=BFCD ではλC=3λA,λB=2λA.成分和が1なのでQ=(16,13,12).重心座標の第1成分は [BCQ]/[BCA] に等しい。問題では [ABC]=1 だから[BCQ]=16である。

(4)
三角形内の3点の重心座標を行に並べた行列式の絶対値は,もとの三角形に対する面積比に等しい。よって[PQR]=det(tt+33(1t)t+33tt+31613121t3t2(1t)3t2t3t)=(35t)26(9t2).0<t<3/5 では分母は正であるから,絶対値の処理にも問題はない。

総評

難度7、計算量7。内分比から交点と面積を求める典型問題だが、文字 t が残るため、途中で比の向きや交点名を取り違えると最後の式が大きく崩れる。(1)のCevaは短く済む一方、(2)以降は座標を一貫して使うのが最も安定する。目安時間は20分前後。得点源は D,E,F の座標、k,l の導出、Q の固定値、最後の行列式整理である。特に E=(2(1t),t)F=(0,3/4) の比の向き、また 0<t<3/5 の範囲で面積の符号を確認することが重要である。

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出典: 九州大学 2016年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。