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九州大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

座標平面上の曲線C1C2をそれぞれC1:y=logx(x>0)C2:y=(x1)(xa)とする。ただし,aは実数である。
nを自然数とするとき,曲線C1C2が2点PQで交わり,
PQx座標はそれぞれ1,n+1となっている。
また,曲線C1と直線PQで囲まれた領域の面積をSn
曲線C2と直線PQで囲まれた領域の面積をTnとする。
このとき,以下の問いに答えよ。

(1) anの式で表し,a>1を示せ。

(2) SnTnをそれぞれnの式で表せ。

(3) 極限値limnSnnlogTnを求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安18

指数・対数積分関数 面積計算極限計算不等式評価

方針

交点 x=n+1C2 に代入して a を決める。面積 Sn は対数曲線と弦 PQ の差、Tn は放物線と同じ弦の差として積分する。a の式を使うと、Tn の被積分関数は (x1)(n+1x) に簡単化する。極限は Sn の主要項が (n/2)lognlogTn の主要項が 3logn であることを確認する。

解答

(1)

x=1 では C1,C2 ともに y=0 である。もう一方の交点の x 座標が n+1 なので、log(n+1)=((n+1)1)((n+1)a)=n(n+1a) である。したがって a=n+1log(n+1)n である。また log(n+1)=1n+11xdx<1n+11dx=n だから log(n+1)n<1 であり、a=n+1log(n+1)n>n1 である。よって a>1 である。

(2)

P,Q を結ぶ直線の傾きは log(n+1)n であるから、直線 PQy=log(n+1)n(x1) である。

まず C1:y=logx は上に凸であり、弦より上にあるので Sn=1n+1(logxlog(n+1)n(x1))dx である。ここで 1n+1logxdx=(n+1)log(n+1)n かつ 1n+1log(n+1)n(x1)dx=n2log(n+1) である。したがって Sn=(n2+1)log(n+1)n である。

次に C2 と直線 PQ の差を計算する。(1)より a+log(n+1)n=n+1 であるから log(n+1)n(x1)(x1)(xa)=(x1)(n+1x) である。これは 1xn+1 で非負なので、Tn=1n+1(x1)(n+1x)dx である。u=x1 とおくとTn=0nu(nu)du=[nu22u33]0n=n36である。よって Tn=n36 である。

(3)

(2) よりSnnlogTn=(n2+1)log(n+1)nnlog(n3/6)である。分子と分母を nlogn で割るとSnnlogTn=(12+1n)log(n+1)logn1lognlog(n3/6)lognである。ここでlimnlog(n+1)logn=1,limn1logn=0,limnlog(n3/6)logn=3だから limnSnnlogTn=16 である。

別解

解法2

方針

面積を「曲線下の面積と弦下の台形の差」として捉える。放物線と弦の差は,両端を零点にもつ2次式であることから直ちに因数分解できる。極限は Sn/(nlogn)logTn/logn を別々に評価する。

解答

(1)
x=n+1 が交点の x 座標なのでlog(n+1)=n(n+1a).したがってa=n+1log(n+1)n.ここで h(u)=ulog(1+u) とおくとh(0)=0,h(u)=u1+u>0(u>0)である。ゆえに log(n+1)<n であり,a>n1.したがって a>1 である。

(2)
PQ の下の面積は,幅 n,両端の高さ 0,log(n+1) の台形の面積だからn2log(n+1)である。一方1n+1logxdx=(n+1)log(n+1)n.対数曲線は弦の上側にあるのでSn=(n+1)log(n+1)nn2log(n+1)=(n2+1)log(n+1)n.次に,弦と C2 の高さの差は2次式であり,x=1,n+1 で0,2次の係数は 1 である。よって()(C2)=(x1)(n+1x).x=1+nu とおくとTn=n301u(1u)du=n3(1213)=n36.(3)εn=log(1+1n)とおけばlog(n+1)=logn+εn,0<εn<1n.したがってSnnlogn=(12+1n)(1+εnlogn)1logn12.またlogTnlogn=3lognlog6logn3.よってSnnlogTn=Sn/(nlogn)logTn/logn16.

総評

難度6、計算量6。対数曲線と放物線を同じ弦で比較する問題で、式変形の見通しが大切である。目安時間は18分程度。a+log(n+1)/n=n+1 を使うと、Tn の被積分関数が (x1)(n+1x) に落ちる点が最大の短縮である。Sn では対数曲線が弦より上にあること、Tn では直線から放物線を引く向きが非負になることを確認したい。極限は Tn そのものではなく logTn が分母にあるため、主要項を取り違えないこと。

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出典: 九州大学 2016年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。