方針
(1) は から が共役複素数になることを使い、 と の和差で実部・虚部を取り出す。(2)は三倍角・二倍角を用いて の3次方程式に直し、範囲内の角を列挙する。(3)は に変換し、 を和積公式で整理する。
解答
(1)
なので である。また、整数 に対してが成り立つ。 が負の場合も、 と考えれば同じ式で表せる。
この2式を足すと であり、引くと である。したがってである。
(2)
とおく。二倍角・三倍角の公式より である。与えられた方程式は すなわち である。因数分解すると であるから である。 より である。
(3) を用いるとである。ここで和積公式よりである。また である。したがってである。よってとなり、示された。
別解
解法2
方針
(1) は加法定理を使った帰納法でDe Moivreの公式を証明する。(2)は3倍角の多項式へ直さず,和積公式で左辺を積に因数分解する。(3)は9乗根の和の実部を使い,8個の正弦平方和を求めて対称性で半分にする。
解答
(1)
まず についてを帰納法で示す。 では明らかである。(1)が で成り立つとき,両辺に を掛け,加法定理を用いるととなる。負の整数 についてはだから,(1)はすべての整数で成り立つ。
さらにである。和と差を取ればを得る。
(2)
与式の左辺から右辺を引くとしたがって よりである。
(3) とおくと, だから実部を取ってよってまたであるから, の和は全体の半分である。したがってが成り立つ。
総評
難度5、計算量4。複素数表示、三倍角、三角恒等式を順に確認する問題である。目安時間は15分程度。(1)は和と差で実部・虚部を取り出すだけだが、整数 に負の場合が含まれても式が崩れないことを一言添えるとよい。(2)は因数分解後、 の範囲で角を漏れなく列挙する。(3)は を(2)の解に代入する問題ではないため、無理に(2)を使わず、 を余弦に直して和積公式で余弦和を処理するのが安全である。