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九州大学 2016年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

以下の問いに答えよ。

(1) θ0θ<2πを満たす実数,iを虚数単位とし,
zz=cosθ+isinθで表される複素数とする。このとき,整数nに対して次の式を証明せよ。cosnθ=12(zn+1zn),sinnθ=i2(zn1zn)(2) 次の方程式を満たす実数x (0x<2π)を求めよ。cosx+cos2xcos3x=1(3) 次の式を証明せよ。sin220+sin240+sin260+sin280=94

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

三角関数複素数平面 複素数の極形式、式変形、誘導利用

方針

(1)z=1 から 1/z が共役複素数になることを使い、zn1/zn の和差で実部・虚部を取り出す。(2)は三倍角・二倍角を用いて cosx の3次方程式に直し、範囲内の角を列挙する。(3)は sin2θ=(1cos2θ)/2 に変換し、cos40+cos80+cos120+cos160 を和積公式で整理する。

解答

(1)

z=1 なので 1z=z=cosθisinθ である。また、整数 n に対してzn=cosnθ+isinnθ,1zn=cosnθisinnθが成り立つ。n が負の場合も、zk=1/zk と考えれば同じ式で表せる。

この2式を足すと zn+1zn=2cosnθ であり、引くと zn1zn=2isinnθ である。したがってcosnθ=12(zn+1zn),sinnθ=i2(zn1zn)である。

(2)

c=cosx とおく。二倍角・三倍角の公式より cos2x=2c21,cos3x=4c33c である。与えられた方程式は c+(2c21)(4c33c)=1 すなわち 4c3+2c2+4c2=0 である。因数分解すると 2(c1)(c+1)(2c1)=0 であるから c=1,1,12 である。0x<2π より x=0,π3,π,5π3 である。

(3) sin2θ=1cos2θ2 を用いるとsin220+sin240+sin260+sin280=212(cos40+cos80+cos120+cos160)である。ここで和積公式よりcos40+cos160=2cos100cos(60)=cos100である。また cos100+cos80=2cos90cos10=0 である。したがってcos40+cos80+cos120+cos160=cos120=12である。よってsin220+sin240+sin260+sin280=212(12)=94となり、示された。

別解

解法2

方針

(1) は加法定理を使った帰納法でDe Moivreの公式を証明する。(2)は3倍角の多項式へ直さず,和積公式で左辺を積に因数分解する。(3)は9乗根の和の実部を使い,8個の正弦平方和を求めて対称性で半分にする。

解答

(1)
まず n0 についてzn=cosnθ+isinnθ(1)を帰納法で示す。n=0 では明らかである。(1)が n で成り立つとき,両辺に z=cosθ+isinθ を掛け,加法定理を用いるとzn+1=cos((n+1)θ)+isin((n+1)θ)となる。負の整数 n=m についてはzm=zm=cosmθisinmθ=cos(mθ)+isin(mθ)だから,(1)はすべての整数で成り立つ。

さらにzn=cosnθisinnθである。和と差を取ればcosnθ=12(zn+zn),sinnθ=i2(znzn)を得る。

(2)
与式の左辺から右辺を引くとcosx+cos2xcos3x1=(cosxcos3x)+(cos2x1)=2sin2xsinx2sin2x=2sin2x(2cosx1).したがってsinx=0またはcosx=12.0x<2π よりx=0,π3,π,5π3である。

(3) ω=cos40+isin40とおくと,ω9=1, ω\neqq1 だから1+ω+ω2++ω8=0.実部を取ってk=18cos(40k)=1.よってk=18sin2(20k)=12k=18{1cos(40k)}=412(1)=92.またsin2(20(9k))=sin2(20k)であるから,k=1,2,3,4 の和は全体の半分である。したがってsin220+sin240+sin260+sin280=94が成り立つ。

総評

難度5、計算量4。複素数表示、三倍角、三角恒等式を順に確認する問題である。目安時間は15分程度。(1)は和と差で実部・虚部を取り出すだけだが、整数 n に負の場合が含まれても式が崩れないことを一言添えるとよい。(2)は因数分解後、0x<2π の範囲で角を漏れなく列挙する。(3)は 40 を(2)の解に代入する問題ではないため、無理に(2)を使わず、sin2 を余弦に直して和積公式で余弦和を処理するのが安全である。

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出典: 九州大学 2016年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。