方針
接点 x=c が三次方程式の重解であることから因数分解し、残る一次因子を定数項で決める。面積はもう一つの交点から接点まで積分し、u=x+1/c によって区間長 c+1/c だけに依存する形へ直す。
解答
(1) 点 (c,0) で x 軸に接するので、x=c はx3+ax2+bx+c=0の重解である。したがってx3+ax2+bx+c=(x−c)2(x+d)と置ける。定数項の比較から c2d=c であり、c>0 より d=1/c である。よって(x−c)2(x+c1)=x3+(c1−2c)x2+(c2−2)x+cとなり、a=c1−2c,b=c2−2を得る。
(2) もう一つの交点は x=−1/c であり、区間 [−1/c,c] では曲線は x 軸の上側にある。したがってS=∫−1/cc(x−c)2(x+c1)dxである。ここでu=x+c1,L=c+c1と置くと x−c=u−L、積分区間は 0≦u≦L となる。ゆえにS=∫0Lu(u−L)2du=12L4=121(c+c1)4である。c>0 ではc+c1≧2で、等号は c=1 のときに限る。したがって S を最小にする値はc=1である。
別解
解法2
方針
接点条件を F(c)=F′(c)=0 という2本の式にして a,b を直接消去する。面積は区間全体を 0≦t≦1 へ正規化し、積分値が区間長の4乗に比例することを使う。
解答
(1) F(x)=x3+ax2+bx+cと置く。接点条件はF(c)=0,F′(c)=0である。c>0 を用いて第1式を c で割るとc2+ac+b+1=0であり、第2式は3c2+2ac+b=0である。差を取れば2c2+ac−1=0だからa=c1−2cとなる。これを戻すとb=c2−2を得る。
(2) (1) の係数を用いるとF(x)=(x−c)2(x+c1)である。区間長をL=c+c1とし、x=−c1+Lt(0≦t≦1)と置く。このときx+c1=Lt,x−c=L(t−1),dx=LdtだからS=L4∫01t(t−1)2dt=L4(21−32+41)=12L4である。したがって S の最小化は L=c+1/c の最小化と同じであり、c=1のときに最小となる。
総評
接線条件を重解または連立方程式として読み替え、面積を1変数の不等式へ落とす問題である。目安時間は15〜18分。(1) は定数項が c であることから残る根が −1/c と決まる。(2) では曲線が積分区間で x 軸の上側にあることを確認し、積分を独立表示で丁寧に組む。解法1は因数分解、解法2は接点条件の連立と区間の正規化を使う。どちらでも面積が (c+1/c)4/12 となることを相互に検算できる。
冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 2018年度 前期 第1問 数学(文系)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。