方針
(1) では複素数の積 の実部が内積になることを直接展開して示す。(2)では正 角形の頂点を単位複素数 で表し、単位円上の点 を と表す。内積は になるので、 は 乗根の和で消える。一般の も二項展開し、 のため非定数の回転成分がすべて消えることを示す。
解答
(1) であるから である。よってである。同様に である。したがって である。一方、 なので である。よって主張が示された。
(2) とおく。正 角形の頂点を表す複素数は、順に とおける。また、単位円上の点 を表す複素数を とする。このとき である。
(1) より、 に対応する複素数が であることを用いるとである。
(a)である。ここで だから である。
(b)である。 なので であり、 が成り立つ。また である。したがって である。
(c)である。二項展開するととなる。
ここで だから、整数 は の範囲にある。したがって のとき、 は の倍数ではなく、 である。残る可能性があるのは の項だけである。
よって が奇数なら残る項はなく、 である。 が偶数なら の項だけが残り、 より である。いずれの場合も は 、すなわち点 によらない。
別解
解法2
方針
頂点と点 を偏角で表し、内積を余弦へ直す。正多角形上の等間隔な角に対する三角和を使い、 の複素指数展開で一般の を処理する。
解答
(1)
、 とするとである。したがってとなる。
(2)
正 角形の頂点の偏角をとし、点 の偏角を とする。 とおけばである。
(a)
等比数列の和からである。その実部を取れば である。
(b)
よりである。 では後半の和が0になるのでである。
(c)
複素指数を用いるとである。これを各頂点の角へ代入して について和を取る。 なので、 なら は の倍数ではなく、対応する等比数列の和は0である。
したがって が奇数なら である。 が偶数なら の定数項だけが残りとなる。いずれも 、すなわち点 によらない。
総評
難度7、目安時間32分。複素数表示と内積を結びつける問題で、(1)の実部計算を(2)でそのまま使う設計になっている。 だけなら三角関数の和でも処理できるが、(c)まで一貫して示すには単位根 の和を使うのが最も整理しやすい。 という条件は、 が0以外で の倍数にならないことを保証するために使われる。ここを明記すると証明の抜けがなくなる。