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九州大学 2019年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

aを自然数とする。

(1) すべての自然数nについて,次の等式を証明せよ。k=1nk(k+1)(k+a1)=1a+1n(n+1)(n+a)(2) a2のとき,次の等式が,すべての自然数nについて成立するような定数bcを求めよ。bn(n+1)(n+a2)+c(n+1)(n+2)(n+a1)=a1n(n+1)(n+a1)(3) 級数の極限limnk=1n1k(k+1)(k+a1)について,収束するならばその極限値を求め,発散するならばこれを証明せよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安26

数列 数学的帰納法、部分分数分解、和の計算

方針

(1) は連続する積の隣り合う差を作る。k(k+1)(k+a)(k1)k(k+a1) の差が (a+1)k(k+1)(k+a1) になるので、和を取ると望遠鏡型に消える。(2)は両辺に共通分母を掛けて、n の恒等式として係数比較する。(3)は a=1 だけ調和級数として分け、a2 では(2)の部分分数分解により有限和を望遠鏡型にする。

解答

(1)
k について k(k+1)(k+a)(k1)k(k+a1) を考える。共通因数 k(k+1)(k+a1) でくくるとk(k+1)(k+a)(k1)k(k+a1)={(k+a)(k1)}k(k+1)(k+a1)=(a+1)k(k+1)(k+a1)である。

したがってk(k+1)(k+a1)=1a+1{k(k+1)(k+a)(k1)k(k+a1)}である。これを k=1,2,,n について足すと、中間の項が消える。k=1 の引かれる項は0を因数にもつので0であり、最後に n(n+1)(n+a) だけが残る。よって k=1nk(k+1)(k+a1)=1a+1n(n+1)(n+a) である。

(2)
両辺に n(n+1)(n+a1) を掛ける。すると b(n+a1)+cn=a1 を得る。これはすべての自然数 n について成り立つ恒等式であるから、n の係数と定数項を比較して b+c=0,b(a1)=a1 となる。a2 より a10 だから b=1,c=1 である。

(3)
まず a=1 のとき、級数は k=1n1k である。これは調和級数である。実際、2m1<k2m の範囲にある項をまとめると、その部分には 2m1 個の項があり、各項は 12m 以上であるから、各まとまりの和は 12 以上である。したがって部分和は限りなく大きくなり、発散する。

次に a2 とする。(2)より1k(k+1)(k+a1)=1a1{1k(k+1)(k+a2)1(k+1)(k+2)(k+a1)}である。これを k=1,2,,n について足すと望遠鏡型に消えてk=1n1k(k+1)(k+a1)=1a1{112(a1)1(n+1)(n+2)(n+a1)}となる。 n とすると、右辺第2項は0に近づく。したがって a2 のとき級数は収束し、その極限値は 1(a1)(a1)! である。

別解

解法2

方針

連続積を組合せ数に直し、パスカルの関係から得られるホッケースティック型の和で(1)を証明する。(2)(3)では共通分母と望遠鏡和を用い、a=1 だけを分ける。

解答

(1)
連続積はk(k+1)(k+a1)=a!k+a1Caと書ける。パスカルの関係を繰り返して得られる恒等式r=an+a1rCa=n+aCa+1を使うとk=1nk(k+1)(k+a1)=a!n+aCa+1=1a+1n(n+1)(n+a)となる。

(2)
両辺へ n(n+1)(n+a1) を掛けるとb(n+a1)+cn=a1である。すべての n について成り立つのでb+c=0,b(a1)=a1である。a2 よりb=1,c=1を得る。

(3)
a=1 のときは調和級数である。2m1<k2m の各まとまりの和が 1/2 以上だから、部分和は発散する。

a2 のときは(2)から1k(k+1)(k+a1)=1a1{1k(k+1)(k+a2)1(k+1)(k+2)(k+a1)}である。したがってk=1n1k(k+1)(k+a1)=1a1{1(a1)!1(n+1)(n+2)(n+a1)}となる。極限値は1(a1)(a1)!である。

総評

難度6、目安時間26分。積の形を見たら、前後に1因子ずらした差を作るのが基本方針である。(1)の望遠鏡和がそのまま(3)の部分分数分解にもつながっているため、途中の差の作り方を丁寧に書くと全体の流れが見えやすい。(2)では定数 b,c と自然数 n を混同せず、共通分母を掛けた後に n の恒等式として処理する。a=1 だけは(2)が使えないので、調和級数として必ず別扱いする必要がある。

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出典: 九州大学 2019年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。