問題
を自然数とする。
(1) すべての自然数について,次の等式を証明せよ。
(2) のとき,次の等式が,すべての自然数について成立するような定数とを求めよ。
(3) 級数の極限
について,収束するならばその極限値を求め,発散するならばこれを証明せよ。
方針
解法1
(1)は連続する積の隣り合う差を作る。 と の差が になるので、和を取ると望遠鏡型に消える。(2)は両辺に共通分母を掛けて、 の恒等式として係数比較する。(3)は だけ調和級数として分け、 では(2)の部分分数分解により有限和を望遠鏡型にする。
解法2
連続積を組合せ数に直し、パスカルの関係から得られるホッケースティック型の和で(1)を証明する。(2)(3)では共通分母と望遠鏡和を用い、 だけを分ける。
解答
解法1
(1)
各 について を考える。共通因数 でくくると
である。
したがって
である。これを について足すと、中間の項が消える。 の引かれる項は0を因数にもつので0であり、最後に だけが残る。よって である。
(2)
両辺に を掛ける。すると を得る。これはすべての自然数 について成り立つ恒等式であるから、 の係数と定数項を比較して となる。 より だから である。
(3)
まず のとき、級数は である。これは調和級数である。実際、 の範囲にある項をまとめると、その部分には 個の項があり、各項は 以上であるから、各まとまりの和は 以上である。したがって部分和は限りなく大きくなり、発散する。
次に とする。(2)より
である。これを について足すと望遠鏡型に消えて
となる。 とすると、右辺第2項は0に近づく。したがって のとき級数は収束し、その極限値は である。
解法2
(1)
連続積は
と書ける。パスカルの関係を繰り返して得られる恒等式
を使うと
となる。
(2)
両辺へ を掛けると
である。すべての について成り立つので
である。 より
を得る。
(3)
のときは調和級数である。 の各まとまりの和が 以上だから、部分和は発散する。
のときは(2)から
である。したがって
となる。極限値は
である。