方針
(1) は連続する積の隣り合う差を作る。 と の差が になるので、和を取ると望遠鏡型に消える。(2)は両辺に共通分母を掛けて、 の恒等式として係数比較する。(3)は だけ調和級数として分け、 では(2)の部分分数分解により有限和を望遠鏡型にする。
解答
(1)
各 について を考える。共通因数 でくくるとである。
したがってである。これを について足すと、中間の項が消える。 の引かれる項は0を因数にもつので0であり、最後に だけが残る。よって である。
(2)
両辺に を掛ける。すると を得る。これはすべての自然数 について成り立つ恒等式であるから、 の係数と定数項を比較して となる。 より だから である。
(3)
まず のとき、級数は である。これは調和級数である。実際、 の範囲にある項をまとめると、その部分には 個の項があり、各項は 以上であるから、各まとまりの和は 以上である。したがって部分和は限りなく大きくなり、発散する。
次に とする。(2)よりである。これを について足すと望遠鏡型に消えてとなる。 とすると、右辺第2項は0に近づく。したがって のとき級数は収束し、その極限値は である。
別解
解法2
方針
連続積を組合せ数に直し、パスカルの関係から得られるホッケースティック型の和で(1)を証明する。(2)(3)では共通分母と望遠鏡和を用い、 だけを分ける。
解答
(1)
連続積はと書ける。パスカルの関係を繰り返して得られる恒等式を使うととなる。
(2)
両辺へ を掛けるとである。すべての について成り立つのでである。 よりを得る。
(3)
のときは調和級数である。 の各まとまりの和が 以上だから、部分和は発散する。
のときは(2)からである。したがってとなる。極限値はである。
総評
難度6、目安時間26分。積の形を見たら、前後に1因子ずらした差を作るのが基本方針である。(1)の望遠鏡和がそのまま(3)の部分分数分解にもつながっているため、途中の差の作り方を丁寧に書くと全体の流れが見えやすい。(2)では定数 と自然数 を混同せず、共通分母を掛けた後に の恒等式として処理する。 だけは(2)が使えないので、調和級数として必ず別扱いする必要がある。