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九州大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

nを自然数とする。xyがすべての実数を動くとき,定積分01(sin(2nπt)xty)2dtの最小値をInとおく。極限limnInを求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

積分三角関数関数 定積分評価極限計算文字消去

方針

与えられた積分は、関数 sin(2nπt) を一次関数 xt+y で近似したときの二乗誤差である。x,y に関する2次式として展開し、必要な積分 01sin2(2nπt)dt01sin(2nπt)dt01tsin(2nπt)dt を先に求める。最小条件は2変数2次式の偏微分、または平方完成に相当する連立一次方程式で与えられる。最小値を代入で求め、最後に n を取る。

解答

J(x,y)=01{sin(2nπt)xty}2dt とおく。まず必要な積分を求める。 01sin2(2nπt)dt=12 であり、また n が自然数なので 01sin(2nπt)dt=0 である。さらに部分積分により01tsin(2nπt)dt=[tcos(2nπt)2nπ]01+01cos(2nπt)2nπdt=12nπである。もちろん 01tdt=12,01t2dt=13 である。

これらを用いて J(x,y) を展開する。J(x,y)=122x01tsin(2nπt)dt2y01sin(2nπt)dt+01(x2t2+2xyt+y2)dt=12+xnπ+x23+xy+y2である。

これは x,y に関する下に凸の2次式である。最小となる点では Jx=1nπ+2x3+y=0 かつ Jy=x+2y=0 が成り立つ。第2式より y=x2 であり、これを第1式に代入すると 1nπ+2x3x2=0 すなわち 1nπ+x6=0 である。よって x=6nπ,y=3nπ を得る。

このときIn=J(6nπ,3nπ)=126n2π2+12n2π218n2π2+9n2π2=123n2π2である。したがって limnIn=12 である。

別解。最小条件は、誤差 sin(2nπt)xty1t のどちらにも直交することと考えてもよい。すなわち01{sin(2nπt)xty}dt=0,01t{sin(2nπt)xty}dt=0を解くと、同じく x=6nπy=3nπ が得られる。

別解

解法2

方針

一次関数の空間を、互いに直交する 1t1/2 で張る。正射影の係数を内積から求め、ピタゴラスの関係で最小二乗誤差を直接計算する。

解答

区間 [0,1] 上の内積をu,v=01u(t)v(t)dtとする。1t1/2 は直交し、t122=01(t12)2dt=112である。また sn(t)=sin(2nπt) とおくとsn,1=0,sn,t12=12nπである。

一次関数はxt+y=x(t12)+(y+x2)と書ける。したがって最良近似の係数は正射影からx=1/(2nπ)1/12=6nπ,y+x2=0であり、y=3/(nπ) となる。さらにsn2=01sin2(2nπt)dt=12であるから、正射影で取り除かれる成分の2乗は1/(2nπ)21/12=3n2π2である。よってIn=123n2π2となり、求める極限はlimnIn=12である。

総評

難度6、目安時間25分。見た目は関数近似だが、実際には x,y の2変数2次式の最小化である。三角関数の積分では 01tsin(2nπt)dt=1/(2nπ) の符号が最も間違いやすい。最小条件を立てる前に J(x,y) を完全に展開しておくと、連立一次方程式から最小値まで機械的に進められる。極限では補正項が 1/n2 で消えるため、答えは元の sin2 の平均値 1/2 に戻る。

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出典: 九州大学 2019年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。