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九州大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第4問

座標平面上の3点O(0,0)A(2,0)B(1,3)を考える。
P1は線分AB上にあり,ABとは異なる点とする。

線分AB上の点P2,P3,を以下のように順に定める。
Pnが定まったとき,点Pnから線分OBに下ろした垂線とOBとの交点をQnとし,
Qnから線分OAに下ろした垂線とOAとの交点をRnとし,
Rnから線分ABに下ろした垂線とABとの交点をPn+1とする。

nのとき,Pnが限りなく近づく点の座標を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安24

ベクトル図形と方程式 座標設定内積の利用漸化式の変形

方針

線分 AB 上の点を Pn=A+tn(BA) と1つのパラメータで表す。各操作は垂線の足、つまり直線への正射影なので、内積を用いると座標が機械的に求まる。Pn から OB へ、次に OA へ、最後に AB へ射影した結果、tn+1=3tn8 という一次漸化式が得られる。極限はこの一次変換の固定点であり、収束は差が毎回 1/8 倍になることから分かる。

解答

線分 AB 上の点を P=A+t(BA) と表す。A(2,0)B(1,3) だから P=(2t,3t) である。点 Pn に対応するパラメータを tn とする。P1A,B と異なる線分 AB 上の点なので 0<t1<1 である。

まず P=(2t,3t) を直線 OB に正射影する。B=(1,3) であり、BB=1+3=4 である。また PB=(2t)+3t=2+2t である。したがって射影点 QQ=PBBBB=2+2t4(1,3)=(1+t2,3(1+t)2)である。

次に Q から OA に下ろした垂線の足 R は、x 軸上の点なので R=(1+t2,0) である。

最後に R を直線 AB に正射影する。AB の方向ベクトルは BA=(1,3) であり、その長さの2乗は4である。射影後の点を A+t(BA) と表すと、射影の公式より t=(RA)(BA)BA2 である。ここで RA=(1+t22,0)=(t32,0) なのでt=(t32,0)(1,3)4=3t8である。したがって tn+1=3tn8 が成り立つ。

極限を T とすると、連続性より T=3T8 である。よって 9T=3,T=13 である。また tn+113=18(tn13) であるから、実際に tn13 に収束する。

したがって Pn が限りなく近づく点は A+13(BA)=(2,0)+13(1,3) であり、座標は (53,33) である。

別解

解法2

方針

Pnx 座標だけを xn として追う。各垂線の足を単位方向ベクトルへの射影で求め、xn+1=(15xn)/8 を導く。

解答

線分 AB の方程式はy=3(2x)であるから、PnPn=(xn,3(2xn)),1<xn<2と表す。直線 OB の単位方向ベクトルはe=(12,32)である。よって PnOB への射影はQn=(Pne)e=(3xn)e=(3xn2,3(3xn)2)となる。したがってRn=(3xn2,0)である。

また、AB の単位方向ベクトルをv=(12,32)とする。RnAB へ射影するとPn+1=A+{(RnA)v}v=(2,0)+xn+14(12,32)=(15xn8,3(xn+1)8)である。よってxn+1=15xn8を得る。固定点は x=5/3 であり、xn+153=18(xn53)だから xn5/3 である。

したがって yn=3(2xn)3/3 であり、極限点は(53,33)である。

総評

難度5、目安時間24分。図形操作は複雑に見えるが、点が常に線分 AB 上に戻るため、1つのパラメータ tn だけで追える。正射影の公式を使うと、3回の垂線操作が一次式 tn+1=(3tn)/8 にまとまる。最後は固定点を求めるだけでなく、tn+11/3=(tn1/3)/8 を書いて収束を確認すると、極限点としての説明が十分になる。

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出典: 九州大学 2019年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。