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九州大学 2019年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

1個のサイコロを3回投げて出た目を順にa,b,cとする。2次方程式ax2+bx+c=0の2つの解z1z2を表す複素数平面上の点をそれぞれP1(z1)P2(z2)とする。
また,複素数平面上の原点をOとする。以下の問いに答えよ。

(1) P1P2が一致する確率を求めよ。

(2) P1P2がともに単位円の周上にある確率を求めよ。

(3) P1Oを通る直線をl1とし,P2Oを通る直線をl2とする。
l1l2のなす鋭角が60である確率を求めよ。

難易度6/ 10計算量6/ 10目安30

確率複素数平面 判別式数え上げ、解と係数の関係

方針

全事象は (a,b,c)63 通りである。(1)は重解条件 b2=4ac を数える。(2)は2解がともに単位円上にあることを、解と係数の関係から c/a=1、さらに b/a2 へ変換する。(3)は判別式が負のとき2解が共役複素数になり、原点から見た2直線のなす角が根の実部と虚部の比で決まる。角が 60 になる条件を b2=ac または b2=3ac に直し、該当するサイコロの目を数える。

解答

全事象は 63=216 通りである。

(1) P1P2 が一致するのは、2次方程式が重解をもつときである。したがって条件は b24ac=0 すなわち b2=4ac である。1a,b,c6 でこれを満たす組は (1,2,1),(1,4,4),(2,4,2),(4,4,1),(3,6,3) の5通りである。よって確率は 5216 である。

(2)
2解を z1,z2 とすると、解と係数の関係より z1z2=ca である。もし z1,z2 がともに単位円上にあれば z1z2=1 である。a,c は正なので、これは c=a を意味する。

逆に c=a とすると、方程式は x2+bax+1=0 と書ける。この2解が単位円上にあるための条件は、ある実数 θ によって z1=eiθ,z2=eiθ と書けることであり、そのとき z1+z2=2cosθ である。ここで z1+z2=ba だから、必要十分条件は ba2 である。a,b>0 より b2a である。

したがって a=c かつ b2a を数えればよい。a=1,2,3,4,5,6 に対して、可能な b の個数は 2,4,6,6,6,6 である。合計は 30 通りである。よって確率は 30216=536 である。

(3)
判別式が0以上で2解が実数のとき、P1,O,P2 は実軸上にあり、2直線のなす鋭角は 60 にならない。したがって判別式が負の場合を考える。

このとき2解は共役複素数であり、z1=b+i4acb22a,z2=bi4acb22aと書ける。実部の絶対値は b2a、虚部の絶対値は 4acb22a である。

2つの直線は実軸に関して対称である。虚部と実部の絶対値の比を r=4acb2b とおく。2直線のなす鋭角が 60 になるのは、実軸との角が 30 または 60 になるときである。したがって r=13 または r=3 である。

前者は 4acb2b2=13 すなわち b2=3ac である。後者は 4acb2b2=3 すなわち b2=ac である。 b2=ac を満たす組は (1,1,1),(1,2,4),(2,2,2),(4,2,1),(3,3,3),(4,4,4),(5,5,5),(6,6,6) の8通りである。また b2=3ac を満たす組は (1,3,3),(3,3,1),(2,6,6),(3,6,4),(4,6,3),(6,6,2) の6通りである。これらは重ならないので、合計14通りである。よって確率は 14216=7108 である。

別解

解法2

方針

各条件を積 ac の値へ直し、サイコロの目の範囲で因数対を表にして数える。角度条件では共役2点と実軸のなす角を 30 または 60 に分ける。

解答

全事象は 216 通りである。

(1)
重解条件は b2=4ac である。b は偶数で、b=2,4,6 のとき ac=1,4,9 となる。範囲 1a,c6 の順序つき因数対の個数はそれぞれ 1,3,1 個なので、合計5通りである。よって確率は5216である。

(2)
2根がともに単位円上ならz1z2=ca=1より a=c である。このとき2根が単位円上にある必要十分条件はz1+z2=ba2すなわち b2a である。各 a=1,2,3,4,5,6 に対する b の個数は2,4,6,6,6,6だから、合計30通りである。よって確率は30216=536である。

(3)
判別式が負のとき、2根は実軸について対称である。

実部と虚部の絶対値の比をr=4acb2bとする。2直線の鋭角が 60 になるのは r=1/3 または r=3 のときであり、条件はそれぞれb2=3ac,b2=acとなる。因数対を数えると条件b順序つき因数対の個数b2=ac1,2,3,4,5,61+3+1+1+1+1=8b2=3ac3,62+4=6である。合計14通りだから、確率は14216=7108である。

総評

難度6、目安時間30分。条件をすべて係数 a,b,c の条件に戻してから数えるのが要点である。(2)では z1z2=1 だけでは足りず、z1+z2 が単位円上の共役2点の和として実現できる条件 b2a まで確認する必要がある。(3)は実数解の場合を除外し、共役な2点が実軸に対して対称になることを利用する。最後の数え上げは、条件式ごとに該当する組を明示すると重複や漏れを防げる。

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出典: 九州大学 2019年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。