Evolton

九州大学 2020年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

四面体OABCにおいて,辺OAの中点と辺BCの中点を通る直線をl
OBの中点と辺CAの中点を通る直線をm
OCの中点と辺ABの中点を通る直線をnとする。
lmmnnlであり,
AB=5BC=3CA=2のとき,以下の問いに答えよ。

(1) 直線OBと直線CAのなす角θ (0θπ2)を求めよ。

(2) 四面体OABCの4つの頂点をすべて通る球の半径を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安28

ベクトル図形と方程式 内積の利用ベクトル成分計算座標設定

方針

原点から3頂点へのベクトルを u,v,w とし、3本の中点連結線の方向ベクトルを表す。直交条件と辺長条件を内積の連立方程式へ変換して長さ・内積を決定し、角度と外接球中心を求める。

解答

u=OA,v=OB,w=OCとおく。また U=u2,V=v2,W=w2 α=uv,β=vw,γ=wuとする。

直線 l,m,n の方向ベクトルは、それぞれv+wu,w+uv,u+vwとしてよい。例えば lOA の中点 12uBC の中点 12(v+w) を結ぶからである。

また、与えられた辺の長さから U+V2α=5,V+W2β=3,W+U2γ=4 である。

直交条件を内積で書くと (v+wu)(w+uv)=0 より 2αUV+W=0 である。したがって W=U+V2α=5 を得る。同様に (w+uv)(u+vw)=0 から U=V+W2β=3 であり、(u+vw)(v+wu)=0 から V=W+U2γ=4 である。

よって U=3,V=4,W=5 である。さらにα=U+V52=1,β=V+W32=3,γ=W+U42=2となる。

(1)
直線 OB の方向ベクトルは v であり、直線 CA の方向ベクトルは uw としてよい。したがって、なす角 θ の余弦はcosθ=v(uw)vuwである。ここで v(uw)=αβ=13=2 であり、v=V=2,uw=CA=2 だから cosθ=222=12 である。0θπ2 より θ=π3 である。

(2)
外接球の中心を表すベクトルを x とする。点Oと点Aから等距離である条件は x2=xu2 であり、これは xu=u22=32 と同値である。同様に xv=2,xw=52 である。

ここで x=u+v+w4 とおくと xu=U+α+γ4=3+1+24=32 であり、同様に xv=α+V+β4=1+4+34=2 xw=γ+β+W4=2+3+54=52 である。したがってこの x が外接球の中心である。

外接球の半径 RR=x であるからR2=u+v+w42=U+V+W+2α+2β+2γ16=3+4+5+2+6+416=32である。よって求める半径は 32=62 である。

別解

解法2(直交する3本の中点連結線を基底にする)

方針

中点連結線の方向ベクトルを L,M,N と置くと、仮定より互いに直交する。頂点ベクトルをこの3本で逆表示し、辺長から L2,M2,N2 を直接決める。直交基底なので角度も外接球半径もピタゴラス型に計算できる。

解答

u=OA,v=OB,w=OCとする。3本の中点連結線の方向ベクトルをL=v+wu,M=w+uv,N=u+vwとおく。仮定より L,M,N は互いに直交する。

これらを逆に解くとu=M+N2,v=N+L2,w=L+M2である。したがってAB2=uv2=ML24=M2+L24=5,BC2=NM24=N2+M24=3,CA2=LN24=L2+N24=4.よってL2+M2=20,M2+N2=12,N2+L2=16.これを解いてL2=12,M2=8,N2=4を得る。

(1)
直線 OB の方向はv=N+L2,直線 CA の方向はuw=NL2である。したがってv(uw)=N2L24=2.またv2=4+124=4,uw=CA=2だからcosθ=222=12.0θπ/2 よりθ=π3である。

(2)
x=L+M+N4を考える。直交性よりx2=L2+M2+N216=2416=32.一方、xu=LMN4であり、符号が変わっても直交成分の二乗和は同じなのでxu2=32.v,w についても同様である。したがって xO,A,B,C から等距離にあり、外接球の中心である。半径はR=32=62となる。

総評

難度7、目安時間28分。中点を結ぶ直線の方向ベクトルを正しく作り、直交条件を内積表へ変換できるかが最重要である。計算は長く見えるが、直交条件から OC2=5OA2=3OB2=4 が順に出る構造に気づくと整理しやすい。外接球では中心の条件を距離の二乗で書き、xu=u2/2 の形にするのが採点上の山場である。内積記号の取り違えと、直線のなす角で絶対値を忘れるミスに注意したい。

冊子PDFで見る九大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2020年度 一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。