方針
絶対値の中身を g(x)=x2+(3−a)x−3a とおくと,g(x)=(x−a)(x+3) であり,点 (a,0) は常に曲線 C 上にある。接線条件は,絶対値を外した2つの枝 y=g(x),y=−g(x) と直線 l の共有点が重解になる条件として判別式で調べる。a が決まった後は,直線と曲線の交点をすべて出し,2つの閉領域のうち (a,0) を境界にもつ側を選ぶ。面積は x=4 で絶対値の枝が切り替わるため,区間を分けて「上のグラフ-下のグラフ」を積分する。
解答
(1) g(x)=x2+(3−a)x−3a=(x−a)(x+3) とおく。曲線 C は,g(x)≧0 の部分では y=g(x),g(x)≦0 の部分では y=−g(x) である。直線 l:y=−x+13 が C に接するには,どちらかの枝との交点が重解になればよい。
まず y=g(x) と l の共有点は x2+(3−a)x−3a=−x+13 すなわち x2+(4−a)x−3a−13=0 の解である。この判別式は (4−a)2+4(3a+13)=a2+4a+68=(a+2)2+64>0 であるから,この枝では接しない。
次に y=−g(x) と l の共有点は −x2−(3−a)x+3a=−x+13 すなわち x2−(a−2)x−3a+13=0 の解である。この判別式は (a−2)2+4(3a−13)=a2+8a−48=(a−4)(a+12) である。接するためには判別式が 0 であり,−3<a<13 も満たすので a=4 である。
(2) a=4 のとき g(x)=x2−x−12=(x−4)(x+3) である。接点は x2−2x+1=0 より x=1 である。また,枝 y=g(x) と直線の交点は x2−x−12=−x+13 より x2−25=0,x=−5,5 である。したがって直線と曲線で囲まれる2つの図形は,接点 x=1 を境に左側と右側に分かれる。点 (a,0)=(4,0) は右側の図形の境界上にあるので,求める面積は 1≦x≦5 の側である。 1≦x≦4 では g(x)≦0 だから C:y=−g(x),4≦x≦5 では C:y=g(x) である。よって面積 S はS=∫14{(−x+13)−(−g(x))}dx+∫45{(−x+13)−g(x)}dx=∫14(x2−2x+1)dx+∫45(25−x2)dx.ここで∫14(x2−2x+1)dx=∫14(x−1)2dx=9であり,∫45(25−x2)dx=[25x−3x3]45=314である。したがって S=9+314=341 である。
別解
解法2(接点の傾きから決定)
方針
絶対値の内側を g(x)=(x−a)(x+3) とする。上側の枝 y=g(x) は直線と接しないことを交点の判別式で除外する。下側の枝 y=−g(x) については,接点の x 座標を p とおき,導関数が直線の傾き −1 に等しい条件と,接点が直線上にある条件を連立する。面積は接点 x=1,折れ点 x=4,交点 x=5 で区切る。
解答
(1) g(x)=x2+(3−a)x−3a=(x−a)(x+3)とおく。枝 y=g(x) と直線 l の交点はx2+(4−a)x−3a−13=0で決まり,その判別式は(4−a)2+4(3a+13)=(a+2)2+64>0である。したがって,この枝が l と接することはない。
そこで枝 y=−g(x) の接点の x 座標を p とする。この枝の導関数は−g′(x)=a−3−2xであり,接線の傾きが −1 だからa−3−2p=−1,p=2a−2.(1)また接点は直線 l 上にもあるので−p2−(3−a)p+3a=−p+13.(2)(1) を (2) に代入して整理すると(a−4)(a+12)=0.条件 −3<a<13 よりa=4.(2)
a=4 のときg(x)=x2−x−12=(x−4)(x+3).下側の枝との接点は x=1,上側の枝との交点はx2−x−12=−x+13⟺x=±5である。点 (4,0) を境界にもつのは右側の領域なのでS=∫14{(−x+13)−(−g(x))}dx+∫45{(−x+13)−g(x)}dx=∫14(x−1)2dx+∫45(25−x2)dx=[3(x−1)3]14+[25x−3x3]45=9+314=341.したがって求める面積は341である。
総評
公開問題PDFと原典TeXを照合済み。絶対値の2枝を分け,接する枝を特定してから接点条件を立てることが中心である。解法1の判別式は機械的で安全,解法2の傾き条件は接点の位置まで同時に見通せる。面積では接点 x=1 から交点 x=5 までを一括せず,絶対値の折れ点 x=4 で必ず分ける。想定時間は18分程度で,a=−12 を範囲条件で除く記述も採点点になる。
冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 2022年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。