方針
定積分を面積としてではなく,問題文の定義に従って扱う。(1) は が の原始関数になることを使い,定義に代入して左右を一致させる。(2) は なら が増加することから を導く。(3) は増加関数を小区間の左右端の定数関数ではさみ,性質(C)で積分の大小へ移す。(4) は小区間ごとの不等式を足し,性質(B)で全区間の積分にまとめ,最後は和の差を望ましい形に望遠和として整理する。
解答
(1) , とする。問題文で与えられている微分の性質より であるから, は の原始関数である。したがって定積分の定義からとなる。
(2) となる関数 を1つ取る。区間 で であるから,導関数と関数の増減の関係より, はこの区間で増加関数である。特に なら である。定積分の定義よりが成り立つ。
(3)
空欄 [ア] に入るのは である。 は で増加関数であるから, において が成り立つ。ここで左右は定数関数である。定数 に対しては,原始関数として を取ればである。よって性質(C)を用いるとが得られる。これが不等式(2)である。
(4)
空欄 [イ] に入るのは である。
(2) の不等式を について足すと,左辺は である。中央の和は性質(B)によりとなる。したがってである。右端と左端の差を取るとであるからが示された。
総評
公開問題PDFと原典TeXを照合済み。定積分を面積の直観で済ませず,問題文の定義と指定された性質だけから組み立てる論証問題である。(1) は原始関数の和,(2) は導関数と増減,(3) は性質(C)による定数関数との比較,(4) は性質(B)による小区間の結合という役割を明確にする。想定時間は22分程度。設問が証明手段まで指定しているため,似た別解を増やすより各論理接続を省略しないことを優先した。