Evolton

九州大学 2022年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

座標空間内の5点O(0,0,0),A(1,1,0),B(2,1,2),P(4,0,1),Q(4,0,5)を考える。3点O,A,Bを通る平面をαとし,
a=OAb=OBとおく。
以下の問いに答えよ。

(1) ベクトルa,bの両方に垂直であり,
x成分が正であるような,大きさが1のベクトルnを求めよ。

(2) 平面αに関して点Pと対称な点Pの座標を求めよ。

(3)Rが平面α上を動くとき,
PR+RQが最小となるような点Rの座標を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算図形的解釈座標設定

方針

(1)OAOB に垂直なベクトルを成分で置き,内積の連立条件から単位法線ベクトルを決める。(2) はその法線ベクトルを用いて,点 P の平面 α に垂直な成分を取り除き,さらに同じ長さだけ反対側へ移して対称点を求める。(3) は平面での反射を用いた最短経路の問題で,P を対称点 P に移すと PR=PR となるので,最小化は直線 PQ と平面 α の交点を求める問題に帰着する。

解答

(1) a=(1,1,0),b=(2,1,2) である。a,b の両方に垂直なベクトルを (u,v,w) とおくと u+v=0,2u+v+2w=0 である。第1式から v=u,これを第2式に代入して u+2w=0,w=u2 を得る。したがって法線方向は (1,1,12) である。大きさは 32 なので,x 成分が正の単位ベクトルは n=(23,23,13) である。

(2)

平面 α は原点を通り,法線ベクトルとして (2,2,1) をもつから 2x2yz=0 で表される。点 P(4,0,1) について 2420(1)=9 であり,(2,2,1) の大きさは 3 である。したがって P は平面から,n の向きに距離 3 だけ離れている。

よって垂線の足を H とするとH=P3n=(4,0,1)3(23,23,13)=(2,2,0)である。対称点 PH を中点として P の反対側にあるから P=2HP=(0,4,1) である。

(3) PP を平面 α に関して対称移動した点である。R が平面 α 上にあるとき,平面に関する対称性から PR=PR である。したがってPR+RQ=PR+RQであり,これは点 P から R を通って Q へ行く折れ線の長さである。三角不等式より,この長さは直線 PQ 上に R があるとき最小になる。よって求める R は直線 PQ と平面 α の交点である。 P=(0,4,1)Q=(4,0,5) だから,直線 PQ 上の点を P+λ(QP)=(4λ,44λ,1+4λ) とおく。これを平面 2x2yz=0 に代入すると 2(4λ)2(44λ)(1+4λ)=0 すなわち 12λ9=0 である。したがって λ=34 であり,R=(3,1,4) を得る。

別解

解法2(正射影と一直線化)

方針

(1) は内積条件から単位法線を求める。(2) は垂線の足を平面上の点 H=sa+tb と置き,PHa,b に垂直である連立方程式を解く。(3) は PP へ反射すると距離和が折れ線 PRQ になり,三角不等式の等号条件から R を直線 PQ と平面の交点にする。

解答

(1) a=(1,1,0),b=(2,1,2).両方に垂直なベクトルを (u,v,w) とおくとu+v=0,2u+v+2w=0.よって法線方向は (2,2,1) であり,大きさは3だからn=(23,23,13).(2)
垂線の足を H=sa+tb とおく。(PH)a=(PH)b=0 より{2s+3t=4,3s+9t=6.したがって s=2,t=0H=(2,2,0).よってP=2HP=(0,4,1).(3)
Rα なら反射の性質から PR=PR である。したがってPR+RQ=PR+RQPQ.等号は P,R,Q がこの順に一直線上に並ぶときに成立する。

直線 PQ 上の点は(0,4,1)+λ(4,4,4)=(4λ,44λ,1+4λ)と表せる。平面 α の方程式2x2yz=0へ代入すると12λ9=0,λ=34.0<λ<1 なので交点は線分 PQ 上にあり,等号が実現する。よってR=(3,1,4).\newpage

総評

公開問題PDFと原典TeXを照合済み。空間ベクトルを反射による最短経路へつなぐ問題である。解法1は平面方程式,解法2は正射影を用いる。三角不等式の等号条件と,交点係数 λ=3/40<λ<1 を満たして線分上で実現することまで確認する。想定時間は20分程度。

冊子PDFで見る九大のベクトルの問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2022年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。