方針
絶対値を外すと、∣x∣≦3 では C:y=9−x2、∣x∣≧3 では C:y=x2−9 である。水平線 y=a との交点を、中央側は u=9−a、外側は v=9+a とおいて整理する。対称性により右半分を計算して2倍し、S1=S2 を u2+v2=18 と合わせて v3=54 に帰着させる。
解答
∣x∣≦3 では C:y=9−x2 であり、∣x∣≧3 では C:y=x2−9 である。 0<a<9 より、中央の交点を u=9−a(0<u<3) とおくと、x=±u で 9−x2=a となる。また外側の交点を v=9+a(3<v<32) とおくと、x=±v で x2−9=a となる。ここで u2=9−a,v2=9+a だから u2+v2=18 である。
まず、y≧a にある部分は中央の山形の部分である。対称性より S1=2∫0u{(9−x2)−a}dx=2∫0u(u2−x2)dx=34u3 となる。
次に、y≦a にある部分は左右2つに分かれる。右側の面積は、u≦x≦3 では直線と中央の放物線の差、3≦x≦v では直線と外側の放物線の差を足せばよい。したがって S2=2{∫u3{a−(9−x2)}dx+∫3v{a−(x2−9)}dx} である。a=9−u2=v2−9 を用いると S2=2{∫u3(x2−u2)dx+∫3v(v2−x2)dx} となる。各積分を計算すると ∫u3(x2−u2)dx=9−3u2+32u3 であり、∫3v(v2−x2)dx=32v3−3v2+9 である。よってS2=2{18−3(u2+v2)+32(u3+v3)}=34u3+34v3−72となる。 S1=S2 より 34u3=34u3+34v3−72 であるから v3=54 である。したがって v2=5432=9⋅232 であり、a=v2−9 から a=9(232−1) を得る。この値は 0<a<9 を満たすので、求める値である。
別解
解法2(符号付き面積を一度に積分する方法)
方針
外側の交点を v=9+a とおく。S1−S2 は −v≦x≦v における ∣x2−9∣−a の符号付き積分に等しい。絶対値が切り替わる x=±3 だけで積分を分けると,中央の交点を導入せず v3=54 が直接得られる。
解答
外側の交点の正の x 座標をv=9+a(3<v<32)とおく。曲線と直線で囲まれる全領域は −v≦x≦v にあり,
∣x2−9∣−a が正の部分の面積が S1,負の部分の面積の絶対値が
S2 である。したがってS1−S2=∫−vv{∣x2−9∣−a}dx.図で見ると,青い部分が正,橙色の部分が負の寄与である。
被積分関数は偶関数であり,v2=9+a だからS1−S2=2{∫03(9−x2−a)dx+∫3v(x2−9−a)dx}=2{(18−3a)+(−32v3+18+3a)}=72−34v3.よって S1=S2 であるための必要十分条件はv3=54である。したがってv2=542/3=9⋅22/3となり,a=v2−9 よりa=9(22/3−1)を得る。この値は 0<a<9 を満たす。
総評
絶対値付き放物線と水平線でできる3つの部分を、対称性で整理する面積問題。目安時間は18〜22分。中央の S1 だけで判断せず、S2 が左右2つの外側領域の合計であることを明確に書く必要がある。u=9−a、v=9+a と置くと、交点の位置と u2+v2=18 が同時に整理でき、計算の見通しがよくなる。 正負の領域を別々に積み上げる標準解法に加え,符号付き面積を一度に積分する方法で v3=54 を再確認した。完成図では中央の S1 と左右の S2/2 の対応が明確である。
冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 令和5年度一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。