Evolton

九州大学 2023年度 前期日程 一般選抜文系数学 第1問

a0<a<9を満たす実数とする。xy平面上の曲線Cと直線lを,次のように定める。C:y=(x3)(x+3),l:y=a曲線Cと直線lで囲まれる図形のうち,yaの領域にある部分の面積をS1
yaの領域にある部分の面積をS2とする。S1=S2となるaの値を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

積分図形と方程式 面積計算、絶対値の処理、置換

方針

絶対値を外すと、x3 では C:y=9x2x3 では C:y=x29 である。水平線 y=a との交点を、中央側は u=9a、外側は v=9+a とおいて整理する。対称性により右半分を計算して2倍し、S1=S2u2+v2=18 と合わせて v3=54 に帰着させる。

解答

x3 では C:y=9x2 であり、x3 では C:y=x29 である。 0<a<9 より、中央の交点を u=9a(0<u<3) とおくと、x=±u9x2=a となる。また外側の交点を v=9+a(3<v<32) とおくと、x=±vx29=a となる。ここで u2=9a,v2=9+a だから u2+v2=18 である。

まず、ya にある部分は中央の山形の部分である。対称性より S1=20u{(9x2)a}dx=20u(u2x2)dx=43u3 となる。

次に、ya にある部分は左右2つに分かれる。右側の面積は、ux3 では直線と中央の放物線の差、3xv では直線と外側の放物線の差を足せばよい。したがって S2=2{u3{a(9x2)}dx+3v{a(x29)}dx} である。a=9u2=v29 を用いると S2=2{u3(x2u2)dx+3v(v2x2)dx} となる。各積分を計算すると u3(x2u2)dx=93u2+23u3 であり、3v(v2x2)dx=23v33v2+9 である。よってS2=2{183(u2+v2)+23(u3+v3)}=43u3+43v372となる。 S1=S2 より 43u3=43u3+43v372 であるから v3=54 である。したがって v2=5423=9223 であり、a=v29 から a=9(2231) を得る。この値は 0<a<9 を満たすので、求める値である。

別解

解法2(符号付き面積を一度に積分する方法)

方針

外側の交点を v=9+a とおく。S1S2vxv における x29a の符号付き積分に等しい。絶対値が切り替わる x=±3 だけで積分を分けると,中央の交点を導入せず v3=54 が直接得られる。

解答

外側の交点の正の x 座標をv=9+a(3<v<32)とおく。曲線と直線で囲まれる全領域は vxv にあり,
x29a が正の部分の面積が S1,負の部分の面積の絶対値が
S2 である。したがってS1S2=vv{x29a}dx.図で見ると,青い部分が正,橙色の部分が負の寄与である。

被積分関数は偶関数であり,v2=9+a だからS1S2=2{03(9x2a)dx+3v(x29a)dx}=2{(183a)+(23v3+18+3a)}=7243v3.よって S1=S2 であるための必要十分条件はv3=54である。したがってv2=542/3=922/3となり,a=v29 よりa=9(22/31)を得る。この値は 0<a<9 を満たす。

総評

絶対値付き放物線と水平線でできる3つの部分を、対称性で整理する面積問題。目安時間は18〜22分。中央の S1 だけで判断せず、S2 が左右2つの外側領域の合計であることを明確に書く必要がある。u=9av=9+a と置くと、交点の位置と u2+v2=18 が同時に整理でき、計算の見通しがよくなる。 正負の領域を別々に積み上げる標準解法に加え,符号付き面積を一度に積分する方法で v3=54 を再確認した。完成図では中央の S1 と左右の S2/2 の対応が明確である。

冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 令和5年度一般選抜(前期日程)数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。