方針
状態を の4つに分ける。まず の確率だけに注目すると、 からは次に必ず非零へ移り、非零からはさいころの目 のときだけ へ戻るので、1本の漸化式で求まる。次に、非零3状態は初期状態と遷移規則の対称性により常に同じ確率になることを確認し、 の確率を の3分の1として求める。
解答
(1) より である。虚数解は であり、虚部が正であるものは である。したがって となる。
(2) とおく。 のときは、次の は必ず のいずれかであり、 にはならない。一方、 のときは、さいころの目が のときだけ になるので、その確率は である。よって である。また より である。
この漸化式を と書くと、 である。したがって となる。
(3) であるから、1回目のさいころの後、 は のそれぞれを確率 でとる。
(2) より である。また、 が等確率であり、非零状態の間の規則は を循環・共役で入れ替える形になっているので、 が非零であるときの3つの値の確率は等しい。したがって である。
(4) 、、 とおく。 では である。また、 からは へそれぞれ確率 で移り、非零3状態の間の移り方も3つの状態を対称に扱う。したがって、 なら である。帰納法により、すべての で が成り立つ。
よって である。(2) の結果を代入してを得る。
別解
解法2(4状態の遷移行列を使う方法)
方針
の確率を列ベクトルにし,さいころ6通りをそのまま遷移行列へ書く。初期ベクトル から,常に非零3状態の確率が等しい形 が保たれることを行列で確認し,2状態の漸化式に縮約する。
解答
(1)
よりしたがってである。
以下,4状態をまとめて扱う。とおく。各状態からさいころの6通りを数えると である。また (1) の右辺へ
を代入するととなる。したがって帰納的にがすべての で成り立つ。
(2)
(1) の第1行からである。よってを解いてを得る。
(3)
では だから(4)
さらに一般にである。
総評
複素数を使った規則に見えるが、実質は4状態の確率遷移を読む問題。目安時間は22〜26分。最初に の確率だけを抜き出すと漸化式が一気に簡単になる。非零3状態の確率が等しいことは「雰囲気」ではなく、 から等確率で出発し、規則が循環と共役で3状態を対称に扱うことから説明する必要がある。 非零3状態の確率が等しいことを曖昧な対称性だけに頼らず,4状態の遷移行列で各流入確率まで検証した。2状態漸化式と行列表示が同じ一般項を与える。