方針
位置ベクトルを用いる。重心が原点であることから p+q+r=0 が成り立つので、r=−(p+q) と表せる。1次変換は和と実数倍を保つため、f(p)=q、f(q)=p から f(r)=r を示す。直線 OR 上の任意の点は tr と書けるので、最後に f(tr)=tr を確認する。
解答
点 P,Q,R の位置ベクトルをそれぞれ p,q,r とする。原点 O が三角形 PQR の重心であるから p+q+r=0 である。したがって r=−(p+q) である。
1次変換 f は和と実数倍を保つ。条件より f(p)=q,f(q)=p であるからf(r)=f{−(p+q)}=−{f(p)+f(q)}=−(q+p)=rである。つまり、点 R は f によってそれ自身へ移る。
直線 OR 上の任意の点の位置ベクトルは、ある実数 t を用いて tr と表される。したがって f(tr)=tf(r)=tr である。ゆえに f は直線 OR 上の点をすべてそれ自身にうつす。
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別解
解法2(辺の中点を固定する)
方針
辺 PQ の中点を M とする。一次変換が P,Q を交換することから M が固定される。
重心の性質より O,M,R は一直線上にあるので、直線 OR の一般点まで確かめる。
解答
辺 PQ の中点を M とし、P,Q,M の位置ベクトルを p,q,m とする。するとm=2p+q.一次変換の線形性と f(p)=q,f(q)=p よりf(m)=2f(p)+f(q)=2q+p=m.よって M は固定される。一次変換は原点 O も固定する。
重心 O は頂点 R と辺 PQ の中点 M を結ぶ中線上にあるから、直線 OM は直線 OR と同じである。
この直線上の任意の点の位置ベクトルは tm と書けるのでf(tm)=tf(m)=tm.したがって直線 OR 上の点はすべてそれ自身へ移る。
総評
難度は10段階中4、計算量は10段階中2程度。想定時間は6分から10分程度。重心条件を位置ベクトルで書き、1次変換の線形性を使うだけで完結する証明である。採点では、r=−(p+q) を出すこと、f(r)=r を線形性で示すこと、さらに直線上の一般点 tr まで確認することが重要である。
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冊子PDFで見る名大のベクトルの問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1981年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。