方針
単位円上の点を x=cosθ, y=sinθ と置く。内積 x⋅Ax は ax2+(b+c)xy+dy2 であり、三角関数の倍角公式で cos2θ,sin2θ の一次式に直せる。最後は Rcos(2θ−ϕ) 型の最大値として読む。
解答
条件 x2+y2=1 より x=cosθ,y=sinθ とおく。Ax=(acbd)(xy)=(ax+bycx+dy)であるから、内積はx⋅Ax=x(ax+by)+y(cx+dy)=ax2+(b+c)xy+dy2である。
倍角公式x2=21+cos2θ,y2=21−cos2θ,xy=2sin2θを用いるとx⋅Ax=2a+d+2a−dcos2θ+2b+csin2θとなる。
ここで 2a−dcos2θ+2b+csin2θ の最大値は 21(a−d)2+(b+c)2 である。したがって求める最大値は 2a+d+21(a−d)2+(b+c)2 である。
定数項に、正弦・余弦の合成振幅を加える
別解
解法2
方針
内積を q=ax2+(b+c)xy+dy2 とする。上界 M に対して
M(x2+y2)−q が全ての x,y で非負となる条件を、
x/y の2次式の判別式で求める。最小の上界が最大値になる。
解答
q=x⋅Ax=ax2+(b+c)xy+dy2.x2+y2=1 上で q≦M となるためには(M−a)x2−(b+c)xy+(M−d)y2≧0が全ての x,y で成り立てばよい。その境界では2次式が
ある比 x:y で0になるから(b+c)2−4(M−a)(M−d)=0.これを M について解くとM=2a+d±(a−d)2+(b+c)2.x=1,y=0 と x=0,y=1 を代入すれば上界は
M≧a,d でなければならないので、大きい方の根を取る。
この値では判別式が0となる比 x:y があり、等号も実現する。
よって最大値は2a+d+(a−d)2+(b+c)2.
総評
単位円上の2次式の最大値を三角関数で処理する問題。目安時間は20分。内積に現れる非対角成分は b と c が足された b+c だけである。倍角公式で定数項、cos2θ、sin2θ に分けると、最大値は半径の形で読める。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。
冊子PDFで見る名大のベクトルの問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1984年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。