方針
絶対値の中身は 0≦x≦n で非正、x≧n で非負になるので、まず区間を分ける。0≦x≦n では hn(x)=x(n−x)/(x2+1) を微分し、分子 n(1−x2)−2x が単調に減少することから最大点を1つに決める。x≧n では値が1未満であることを確認し、n≧3 では前者の最大値が少なくとも1なので前者だけを採用する。最後に最大点 xn を用いて an/n の極限を取る。
解答
0≦x≦n では x(x−n)≦0 なので f(x)=x2+1x(n−x) である。これを hn(x)=x2+1x(n−x) とおく。微分すると hn′(x)=(x2+1)2(n−2x)(x2+1)−2x(nx−x2) であり、分子を整理して hn′(x)=(x2+1)2n(1−x2)−2x となる。
分子 N(x)=n(1−x2)−2x は x≧0 で単調に減少する。また N(0)=n>0,N(1)=−2<0 であるから、0<x<1 にただ1つの零点をもつ。その零点を xn とすると nxn2+2xn−n=0 より xn=nn2+1−1 である。したがって hn(x) は x=xn で最大となる。
一方、x≧n では f(x)=x2+1x(x−n)<1 である。n≧3 のとき、0≦x≦n 側では hn(1)=2n−1≧1 なので、全体の最大値は hn(xn) である。よって an=hn(xn) である。
したがってnan=n(xn2+1)xn(n−xn)=xn2+1xn(1−nxn)である。ここで xn=nn2+1−1→1,nxn→0 であるからn→∞limnan=21である。よって 21 である。
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別解
解法2(上界と具体値ではさむ)
方針
最大点を求めず、0≦x≦n では x/(x2+1)≦1/2 を使って上から抑える。
一方 x=1 の値を下界に取り、はさみうちで極限を決める。
解答
0≦x≦n ではnf(x)=x2+1x(1−nx).(x−1)2≧0 より 2x≦x2+1 だから0≦nf(x)≦x2+1x≦21.x≧n では0≦nf(x)=n(x2+1)x(x−n)<n1≦31<21.よって全範囲で an/n≦1/2 である。一方 x=1 を代入すればnan≧nf(1)=2nn−1.したがって2nn−1≦nan≦21.はさみうちによりn→∞limnan=21.
総評
難度は10段階中5、計算量は10段階中5程度。想定時間は16分から22分程度。絶対値を区間で外し、有理関数の最大値を微分で求める問題である。採点では、0≦x≦n 側の最大点、x≧n 側が1未満である確認、an/n の形のまま極限を取る整理が重要である。最大値 an を完全に展開しようとすると計算が重くなる。
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冊子PDFで見る名大の微分の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1981年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。