Evolton

名古屋大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

座標平面上に、2辺の長さが1と2である長方形を考える。この長方形の x 軸への正射影の長さを ly 軸への正射影の長さを m とする。このとき、点(lm, l+m)全体はどのような図形になるか。これを図示せよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

図形と方程式三角関数 軌跡三角比の利用、パラメータ処理

方針

長方形の長さ2の辺が x 軸となす角を θ とし、射影長に現れる絶対値を u=cosθv=sinθ と置く。すると u,v0u2+v2=1 であり、l=2u+vm=u+2v と表せる。あとは X=lmY=l+m とおき、u+vuv の関係からだ円の一部を得る。

解答

長方形の長さ2の辺が x 軸となす角を θ とする。この辺の x 軸への射影の長さは 2cosθ であり、y 軸への射影の長さは 2sinθ である。もう一方の長さ1の辺はこれと垂直なので、その射影長は x 軸方向に sinθy 軸方向に cosθ である。

そこで u=cosθ,v=sinθ とおくと u0,v0,u2+v2=1 である。また l=2u+v,m=u+2v である。

求める点を (X,Y)=(lm,l+m) と書く。すると X=(2u+v)(u+2v)=uv, Y=(2u+v)+(u+2v)=3(u+v). したがって uv=X,u+v=Y3. 一方 (u+v)2+(uv)2=2(u2+v2)=2 であるから X2+(Y3)2=2. すなわち X2+Y29=2. さらに u,v0 より u+vuv である。したがって Y3X すなわち Y3X が必要である。

逆に、だ円 X2+Y29=2 上で Y3X を満たす点に対してu=12(Y3+X),v=12(Y3X)とおけば u,v0u2+v2=1 となる。したがって実際にある長方形から得られる。

よって求める図形は X2+Y29=2,Y3X で表されるだ円の上側の弧である。端点は (1,3),(1,3) であり、最上点は (0,32) である。これらを結ぶ上側のだ円弧を図示すればよい。

別解

解法2(三角関数で媒介表示する)

方針

射影長の絶対値を吸収するため、長辺が座標軸となす鋭角を ϕ とする。求める点を三角関数で媒介表示し、角の範囲からだ円弧のどの部分かを決める。

解答

長さ2の辺が座標軸となす鋭角を ϕ とする。長方形の向きを反転しても射影長は変わらないので0ϕπ2としてよい。このときl=2cosϕ+sinϕ,m=cosϕ+2sinϕ.X=lm,Y=l+mとおけばX=cosϕsinϕ=2cos(ϕ+π4),Y=3(cosϕ+sinϕ)=32sin(ϕ+π4).したがってX22+Y218=1.またπ4ϕ+π43π4だから、求める図形はこのだ円の上側の弧で、端点は(1,3),(1,3),最上点は(0,32)である。

総評

難度6、計算量5、目安25分。射影長は符号をもたないので、絶対値を第一象限の単位円へまとめる。代数的な消去と三角関数の媒介表示の2通りで、全だ円ではなく端点 (±1,3) を結ぶ上側の弧だけになることを確認した。

冊子PDFで見る名大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。