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名古屋大学 1982年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

1個のバクテリアが10分後に2個、1個、0個になる確率がそれぞれ12,13,16であるとする。1個のバクテリアが、

(1) 20分後に2個になっている確率

(2) 30分後に6個になっている確率

を求めよ。

難易度5/ 10計算量5/ 10目安24

確率 状態分類数え上げ、独立性の利用

方針

1個のバクテリアが10分後に 0,1,2 個になる確率を係数にもつ多項式 f(s) を使うと、20分後の分布は f(f(s)) で表せる。(1)はその s2 の係数を読む。(2)では30分後に6個になるには20分後が3個または4個でなければならないので、その二つの場合から次の10分で6個になる確率を数える。

解答

1個のバクテリアが10分後に作る個数の分布を f(s)=16+13s+12s2 で表す。ここで sk の係数が、個数が k 個になる確率を表している。

(1)

20分後の分布は f(f(s)) で表せる。実際、10分後に 0,1,2 個になり、その各個体がさらに独立に同じ規則で増えるからである。計算するとf(f(s))=1772+16s+1136s2+16s3+18s4.したがって20分後に2個になっている確率は、s2 の係数で 1136 である。

(2)

30分後に6個になるためには、20分後の個数は3個または4個でなければならない。20分後の分布から P(20分後に3個)=16,P(20分後に4個)=18 である。

20分後に3個ある場合、30分後に6個になるには、3個すべてが2個になる必要がある。したがってその確率は (12)3=18. 20分後に4個ある場合、30分後に6個になるには、4個の合計増殖数が6になればよい。最大は全員が2個になる8個なので、合計で2個分だけ不足する場合を数える。すなわち、一つが0個になり他の三つが2個になる場合、または二つが1個になり他の二つが2個になる場合である。確率は416(12)3+6(13)2(12)2=112+16=14.したがって求める確率は1618+1814=148+132=596.

別解

解法2(直接場合分けする)

方針

各10分後の個数を直接分類する。(1)は最初の10分後が1個か2個かで分ける。(2)は20分後が3個・4個となる経路を先に数え、最後の10分で6個になる場合を足す。

解答

(1)
最初の10分後が1個で、その1個が次に2個となる確率は1312=16.最初の10分後が2個の場合、次の2個の子孫数の和が2となるのは(0,2),(2,0),(1,1)である。その確率は12{21612+(13)2}=536.よって16+536=1136.(2)
20分後に3個となるには、10分後が2個で、次に (1,2) または (2,1) となればよい。したがってP(N20=3)=1221312=16.20分後に4個となるには2個がともに2個となればよいのでP(N20=4)=12(12)2=18.3個から6個になる確率は (1/2)3=1/8 である。4個から6個になるのは、最大8個から2個不足する場合であり、416(12)3+6(13)2(12)2=14.したがって1618+1814=596.

総評

難度5、計算量5、目安24分。個体ごとの分岐を生成多項式でまとめる方法と、必要な経路だけを直接分類する方法を照合した。30分後に6個となるには20分後が3個または4個だけであることが、場合分けを短くする要点である。

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出典: 名古屋大学 1982年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。