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名古屋大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験 図形と方程式文系数学 第3問(b)

1辺の長さが1 cmの正三角形 ABC がある。動点 P,Q,R が、それぞれ A,B,C を同時に出発して毎秒1 cm、2 cm、3 cmの速さで、この三角形の周上を ABCA の向きにまわっている。出発してから t 秒後の P,Q,R を頂点とする三角形の面積を S(t)cm2 とする。

(1) S(t+3)=S(t) を示せ。

(2) 0t2 の範囲で、S(t)=0 となる t を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安27

図形と方程式 座標設定、場合分け、対称性の利用

方針

周長3を法とする道のりで3点の位置を表す。辺が切り替わる時刻で区間を分け、各点の座標を符号つき面積の公式へ代入する。面積0は得られた二次式・積の零点から漏れなく拾う。

解答

(1)
正三角形の周長は3である。3秒間に P,Q,R が進む距離はそれぞれ 3,6,9 で、いずれも周長の整数倍である。したがって3点が同時に元の位置へ戻りS(t+3)=S(t)となる。

(2)A=(0,0),B=(1,0),C=(12,32)とする。周上の位置を A から進んだ道のりで表すと、時刻 t ではP:t,Q:1+2t,R:2+3tをそれぞれ3で割った余りとなる。

3点 (xP,yP),(xQ,yQ),(xR,yR) の符号つき面積の2倍をΔ=xP(yQyR)+xQ(yRyP)+xR(yPyQ)とする。各区間で座標を代入すると範囲Δ/30t1311t26t+1213t12t(2t1)12t23(t1)(2t1)23t111t216t+621t4311t228t+18243t32(t2)(t1)232t53(t2)(3t5)253t20である。面積は S(t)=Δ/2 である。最初・第4・第5の二次式は判別式が負で零点をもたず、残りの区間を含めて調べるとt=12,53t2を得る。後の区間では3点がすべて辺 BC 上にある。

図は t=1/4 の位置。速さの違いで辺の切替時刻が分かれる

別解

解法2(辺の組合せとメネラウスの定理)

方針

周期は周長から示す。面積0を3点の一直線条件と読み替え、各時刻区間で3点がどの辺にいるかだけを調べる。3辺に1点ずつある区間はメネラウスの定理、2点が同じ辺にある区間は一致条件で判定する。

解答

(1)
3秒で各点が周をそれぞれ1周、2周、3周する。したがって3点の配置が同時に戻るのでS(t+3)=S(t).(2)
辺の切替時刻で区切ると、3点のいる辺は次のようになる。範囲PQR(0,1/3)ABBCCA(1/3,1/2)ABBCAB(1/2,2/3)ABCAAB(2/3,1)ABCABC(1,4/3)BCABCA(4/3,3/2)BCABAB(3/2,5/3)BCBCAB(5/3,2)BCBCBC最初、(2/3,1)(1,4/3) では3辺に1点ずつある。各辺上の進行比をメネラウスの定理へ代入すると、一直線条件は順に11t26t+1=0,11t216t+6=0,11t228t+18=0となる。いずれも判別式は 8 で、実数解をもたない。

(1/3,2/3) では P,R がともに辺 AB 上にあり、一直線となるには両点が一致する必要がある。周上の道のりを比べるとt=3t1,すなわち t=1/2 である。(4/3,3/2)(3/2,5/3) では同じ辺上の2点が一致する解は区間内にない。ただし t=5/3R も辺 BC に入り、以後 t=2 まで3点がすべて BC 上にある。

よってS(t)=0t=12または53t2.

総評

周上を異なる速さで動く3点の共線時刻を求める問題。目安時間は27分。高校数学の座標面積公式とメネラウスの定理で再構成した。連続区間 [5/3,2] では3点が乗るのは辺 CA ではなく辺 BC であることも確認した。

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出典: 名古屋大学 1983年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。