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名古屋大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験 確率文系数学 第3問(b)

AB 2つの箱に白石と黒石が入っている.
ABから石を1個取り出すとき,白石が出る確率をそれぞれαβとする.
次のような試行を行う.
ただし,取り出した石はそのつどもとの箱に戻すものとする.

1回目は箱Aから取る.
2回目は,1回目に白石が出た場合は箱Bから,黒石の場合は箱Aから取る.
3回目は,2回目に箱Aから白石を取った場合のみ箱Bから,それ以外の場合は箱Aから取る.

(1) 白石を取り出した回数が黒石を取り出した回数より大きい確率pを求めよ.

(2) α=14のとき,
どんな確率βに対しても,p12であることを証明せよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安23

確率 場合分け、条件付き確率、式変形

方針

3回の試行を木で整理し、白が黒より多い、つまり白が2回以上出る場合だけを足す。箱の選択規則は第2回と第3回で異なり、第3回に箱 B を選ぶのは「第2回に箱 A から白を取った場合だけ」である点に注意する。第(2)問は α=1/4 を代入し、p=1/2 となるには β=7/6 が必要であることを示す。

解答

(1)
白石の回数が黒石の回数より大きいのは、3回中2回または3回、白石が出る場合である。場合分けして計算する。

1回目に白が出る確率は α である。この場合、2回目は箱 B から取る。
2回目も白なら、すでに白が2回出ているので3回目の結果にかかわらず条件を満たす。この確率は αβ である。
1回目が白、2回目が黒なら、3回目は箱 A から取り、ここで白が出る必要がある。この確率は α(1β)α である。

次に1回目に黒が出る場合を考える。この確率は 1α であり、2回目は箱 A から取る。2回目に白が出た場合だけ3回目は箱 B から取り、そこで白が出れば白が2回になる。この確率は (1α)αβ である。2回目も黒なら、3回目に白が出ても白は1回だけなので条件を満たさない。

以上より p=αβ+α2(1β)+(1α)αβ である。整理して p=α2+2αβ2α2β を得る。

(2) α=14 を代入するとp=116+β2β8=116+3β8である。
もし p=1/2 なら 116+3β8=12 であり、1+6β=8 すなわち β=76 となる。しかし β は確率なので 0β1 でなければならない。これは β=7/6 と矛盾する。
したがって、どんな確率 β に対しても p12 である。

箱の選択規則を保ったまま、必要な経路だけを足す

別解

解法2

方針

白が黒より多い事象を直接足す代わりに、その余事象
「白が0回または1回」を数える。箱の移動規則を守って
BBB,WBB,BWB,BBW の4経路を足し、1から引く。

解答

(1)
白が0回の経路は BBB だけで、その確率は(1α)3である。白が1回だけの経路は次の3つである。経路確率WBBα(1β)(1α)BWB(1α)α(1β)BBW(1α)2αしたがってp=1(1α)32α(1α)(1β)α(1α)2=α2+2αβ2α2β.(2)
α=14 とするとp=116+3β8.0β1 だから116p716<12.よって、どの確率 β に対しても
p12 である。

総評

前回の結果によって次に選ぶ箱が変わる3回試行の確率問題。目安時間は23分。第3回に箱 B を選ぶ条件は「第2回に箱 A から白を取った場合のみ」であり、単に直前が白ならBと読まないことが重要である。木を描くか、本文のように場合を分けると安全である。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 名古屋大学 1984年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。