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名古屋大学 1984年度 前期日程 第2次学力試験 確率理系数学 第4問(b)

さいころをn回投げ,6の目がr回出れば,
ar2+br+cabcは定数でa>0)の金額のお金が得られるものとする.
得られる金額の平均値(期待値)man236+bn6+cのどちらが大きいか.

難易度4/ 10計算量3/ 10目安14

確率 期待値、二項定理、式変形

方針

6の目が出た回数 r を、各回の指示変数 Xi の和として表す。E(r)=n/6 はすぐ出るが、比較に必要なのは E(r2) であり、E(r2)=E(Xi)+2E(XiXj) として求める。最後に期待金額 m=aE(r2)+bE(r)+c と指定式との差を取る。

解答

6の目が出た回数を r とする。各回について、6の目が出れば 1、出なければ 0 となる変数を Xi(i=1,2,,n) とおくと r=X1+X2++Xn である。
Xi について E(Xi)=16 だから E(r)=n6 である。

次に E(r2) を求める。Xi2=Xi であり、ij のとき独立性より E(XiXj)=136 である。したがってE(r2)=E(i=1nXi2+21i<jnXiXj)=n6+2n(n1)2136=n2+5n36である。

得られる金額の期待値は m=E(ar2+br+c)=aE(r2)+bE(r)+c であるから m=an2+5n36+bn6+c である。

これと an236+bn6+c との差を取ると m(an236+bn6+c)=5an36 である。a>0, n1 なのでこれは正である。したがって m の方が大きい。

1回の成功数と、異なる2回の成功対を分けて数える

別解

解法2

方針

r2=r+r(r1) と分ける。r は6が出た回数、
r(r1) は異なる2回でともに6が出た順序つきの組の数なので、
それぞれの期待値を直接数える。

解答

6が出た回数を r とする。各回で6が出る確率は
16 だからE(r)=n6.一方、r(r1) は、6が出た異なる2回を順序つきで選ぶ個数である。
順序つきの回の組は n(n1) 個あり、固定した2回がともに
6である確率は 136 だからE{r(r1)}=n(n1)36.r2=r+r(r1) よりE(r2)=n6+n(n1)36=n2+5n36.したがってm=aE(r2)+bE(r)+c=a(n2+5n)36+bn6+c.よってm(an236+bn6+c)=5an36>0.したがって m の方が大きい。

総評

さいころで6が出る回数の2乗の期待値を使う問題。目安時間は14分。平均回数 E(r)=n/6 だけでは足りず、E(r2) を正しく求める必要がある。E(r2)(E(r))2 としてしまう誤りが典型的で、指示変数に分けると安全に計算できる。 2つの解法を相互に照合し、境界値・必要十分性・符号・最終値を確認した。

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出典: 名古屋大学 1984年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。