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名古屋大学 1983年度 前期日程 第2次学力試験 確率・数列理系数学 第4問(a)

A には1個、箱 B には2個の球が入っている。硬貨を投げて表が出たら A から B へ、裏が出たら B から A へ球を1個うつす。ただし、どちらか一方が空になったらこの操作をやめるものとする。

(1) ちょうど n 回目に箱 A が空になる確率 pn を求めよ。

(2) N 回以下の操作では A が空にならない(B は空になってもよい)確率 qN を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安21

確率数列 状態分類確率漸化式、場合分け

方針

A の球数を状態 0,1,2,3 とする。A が空になるまで停止せずに進む道筋は、状態1と2を交互に移動して最後に1から0へ進むものに限られる。その確率を求め、期限内に空になる確率の等比和を余事象から引く。

解答

(1)
A の球数を状態とする。初期状態は1で、表なら1減り、裏なら1増える。状態0または3に達すると操作は止まる。

A が空になるまで停止せずに進むには121210と動くしかない。したがって偶数回目には起こらず、n=2k+1 回目に起こる道筋はただ1つである。各硬貨列の確率は 2(2k+1) だからp2k+1=122k+1(k=0,1,2,),p2k=0.(2)
N=2m のとき、N 回以下で A が空になる確率はk=0m1122k+1=23(114m).よってq2m=13+234m.N=2m+1 のときは項を1つ加えてq2m+1=13+234m+1.m=0 では q0=1q1=1/2 となり、初期状態とも一致する。

別解

解法2(2回を1組にする)

方針

状態1から始めた2回の硬貨を1組として見る。最初の表で A が空、裏表なら状態1へ戻り、裏裏なら B が空になる。状態1へ戻る確率 1/4 を用いて、吸収時刻と生存確率を直接求める。

解答

(1)
状態1から2回分を見ると

・最初が表:確率 1/2 で1回目に A が空

・裏、表:確率 1/4 で2回後に状態1へ戻る

・裏、裏:確率 1/4 で2回目に B が空

となる。したがって k 組だけ「裏、表」で戻った後、次の1回で表が出る確率は(14)k12=122k+1.よってp2k+1=122k+1,p2k=0.(2)
2m 回以下で A が空になる確率は12(1+14++14m1),したがってq2m=123(114m)=13+234m.奇数の期限では、さらに m 組戻った後の表を除くのでq2m+1=q2m122m+1=13+234m+1.

総評

3個の球の移動を4状態の吸収過程として読む確率問題。目安時間は21分。箱 B が先に空になった場合は、設問 (2) の成功事象に含まれる。道筋の等比和と2回1組の再帰の2通りで、偶奇別の式と初期値を確認した。

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出典: 名古屋大学 1983年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。