方針
どちらの確率も「一度も出ない」余事象で表す。偶数が少なくとも1回出る確率は 1−(1/2)m,6が少なくとも1回出る確率は 1−(5/6)n である。大小を整理して (5/6)n≦(1/2)m にし,常用対数を取る。指定された log102,log103 だけで log10(6/5) を作る。
解答
m 回サイコロを投げたとき,偶数の目が1回も出ない確率は (21)m である。したがって,少なくとも1回偶数の目が出る確率は p=1−(21)m である。
一方,n 回投げたとき,6の目が1回も出ない確率は (65)n であるから,6の目が少なくとも1回出る確率は 1−(65)n である。
これが p 以上である条件は 1−(65)n≧1−(21)m である。両辺を整理すると (65)n≦(21)m である。両辺は正であり,常用対数を取ると nlog1065≦mlog1021 である。両方とも負なので符号に注意して nlog1056≧mlog102 を得る。
したがって mn≧log10(6/5)log102 であればよい。ここで log1056=log106−log105 であり,log106=log102+log103,log105=1−log102であるから log1056=2log102+log103−1 である。与えられた値を代入すると 2⋅0.3010+0.4771−1=0.0791 である。よって mn≧0.07910.3010=3.805⋯ である。
指定に従って小数第2位を四捨五入し,小数第1位までで表すと mn≧3.8 である。ここで 3.805⋯ は,与えられた対数の近似値を用いた計算結果である。
別解
解法2
方針
必要な比を r=n/m とおき,余事象の不等式を (5/6)r≦1/2 までまとめる。指数関数の単調性と常用対数から境界値を求め,丸める前の値も残して条件の意味を明確にする。
解答
偶数が一度も出ない確率は (1/2)m,6が一度も出ない確率は (5/6)n である。したがって求める条件は1−(65)n≧1−(21)mすなわち(65)n≦(21)mである。
ここで r=n/m とおく。両辺の正の m 乗根を取れば(65)r≦21となる。常用対数を取って整理するとr≧log10(6/5)log102である。またlog1056=log102+log103−(1−log102)=2log102+log103−1=0.0791だからr≧0.07910.3010=3.805⋯を得る。境界値を小数第1位まで表すと 3.8 である。したがって答えはmn≧3.8(与えられた近似値で 3.805⋯)である。
総評
難易度は4,計算量は3程度である。想定時間は10分から15分程度。両方の確率を余事象で表し,底が1未満の累乗を比較する。常用対数を取った際の不等号の扱いが最重要である。指定された数値だけで計算するため,log10(6/5)=2log102+log103−1 と変形する。与えられた近似値での計算結果は 3.805⋯ であり,小数第1位表示の 3.8 へ丸める。
冊子PDFで見る名大の確率の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1985年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。