方針
対称な行列を2乗して成分を比較し、 と に分ける。零行列・単位行列を除くと、すべての解が にまとまる。第(2)問では2本の列ベクトルが比例することから、像が1本の直線上にあると示す。
解答
(1) とする。 の各成分を比較すると のとき、 である。零行列と単位行列を除くとが残る。
のとき、(1)の中央の式から であり逆に なら (1) の3式がすべて成り立つ。
以上を端点も含めてまとめるとである。この形では対角成分の和が1なので、零行列にも単位行列にもならない。
(2) 任意の点 の像はである。 なら でだから、像はすべて を方向ベクトルとする原点通過直線上にある。
の端点では は 軸への変換、 の端点では 軸への変換となる。よってすべての場合に、平面上の全点は原点を通る一定の直線上へ移される。
別解
解法2:三角関数で射影の形に表す
方針
成分条件を と表す。すると行列は1本の単位方向への射影として因数分解でき、第(1)問の分類と第(2)問の像の直線が同時に分かる。
解答
(1) を成分比較し、零行列・単位行列を除くとを得る。そこで を用いると、すべての解はと表せる。実際、 は正負の両方を取り、端点の場合も含む。
(1) を直接2乗するとである。また対角成分の和は1だから零行列でも単位行列でもない。
(2) 任意の点を列で表すとしたがって像は常にという原点を通る一定の直線上にある。
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。問題文が行列と1次変換を明示しているため、この大問では当時の高校課程の行列を用いる。成分比較では の端点を落とさないこと、最終形が零行列・単位行列を含まないことを確認したい。第(2)問では、像を作る2本の列が同じ方向を向くこと、または射影の形に表すことが要点である。目安時間は20分。