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名古屋大学 1990年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

行列(1021)で表される1次変換によって,
直線y=px+qを移した直線をlとする.

(1) lが単位円C:x2+y2=1と交わるようなpqを座標とする点(p,q)の範囲を図示せよ.

(2) 直線lが円Cに接するとき,接点をpqを用いて表せ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安16

行列図形と方程式 座標設定文字消去円の性質

方針

まず問題文の行列が表す1次変換をそのまま座標へ作用させ、移された
直線の式を求める。その後は傾きを m=p2 とおき、単位円と
直線の位置関係を原点からの距離で判定する。接点は原点から接線へ
下ろした垂線の足として求める。

解答

(1)

変換前の点を (x,y)、変換後の点を (X,Y) とすると、
問題文の行列が表す1次変換はX=x,Y=2x+yである。y=px+q 上ではY=2X+pX+q=(p2)X+qとなる。したがって移された直線 ly=(p2)x+qである。

m=p2 とおく。原点から直線 mxy+q=0 までの距離はqm2+1である。これが 1 以下であることが、単位円と交わるための
必要十分条件なのでq2m2+1.よって求める範囲はq2(p2)2+1.(1)(2)

接するときは (1) で等号が成り立つ。接点は原点から
mxy+q=0 へ下ろした垂線の足であるから(x,y)=(mqm2+1,qm2+1).m=p2 を戻すと、接点は((p2)q(p2)2+1,q(p2)2+1)である。

別解

解法2:円への代入と判別式を使う

方針

変換後の直線を円の方程式へ代入し、交点の x 座標に関する
2次方程式を作る。(1) は判別式が0以上、(2) は重解という条件で
一続きに処理する。

解答

1次変換によりl: y=(p2)x+qとなる。m=p2 とおき、これを単位円へ代入するとx2+(mx+q)2=1,すなわち(1+m2)x2+2mqx+q21=0.(1)(1)

円と直線が交わるための条件は、(1) の判別式が0以上であること
だから(2mq)24(1+m2)(q21)0.整理するとq2m2+1,よってq2(p2)2+1.(2)

接するとき (1) は重解をもち、その重解はx=mq1+m2.これを y=mx+q へ代入するとy=q1+m2.したがって接点は((p2)q(p2)2+1,q(p2)2+1).

総評

問題文が明示する1次変換を座標へ正しく作用させれば、その後は単位円と
直線の標準的な位置関係になる。目安時間は16分。接点座標は符号を誤り
やすいため、円周上にあり直線上にもあることを代入で確認した。
2解法は距離公式と判別式で独立に同じ領域・接点を得ている。この問題は
原問題自体が行列を扱うため、行列の使用対象である。

冊子PDFで見る名大の行列の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 1990年度 前期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。