方針
まず問題文の行列が表す1次変換をそのまま座標へ作用させ、移された
直線の式を求める。その後は傾きを m=p−2 とおき、単位円と
直線の位置関係を原点からの距離で判定する。接点は原点から接線へ
下ろした垂線の足として求める。
解答
(1)
変換前の点を (x,y)、変換後の点を (X,Y) とすると、
問題文の行列が表す1次変換はX=x,Y=−2x+yである。y=px+q 上ではY=−2X+pX+q=(p−2)X+qとなる。したがって移された直線 l はy=(p−2)x+qである。
m=p−2 とおく。原点から直線 mx−y+q=0 までの距離はm2+1∣q∣である。これが 1 以下であることが、単位円と交わるための
必要十分条件なのでq2≦m2+1.よって求める範囲はq2≦(p−2)2+1.(1)(2)
接するときは (1) で等号が成り立つ。接点は原点から
mx−y+q=0 へ下ろした垂線の足であるから(x,y)=(−m2+1mq,m2+1q).m=p−2 を戻すと、接点は(−(p−2)2+1(p−2)q,(p−2)2+1q)である。
別解
解法2:円への代入と判別式を使う
方針
変換後の直線を円の方程式へ代入し、交点の x 座標に関する
2次方程式を作る。(1) は判別式が0以上、(2) は重解という条件で
一続きに処理する。
解答
1次変換によりl: y=(p−2)x+qとなる。m=p−2 とおき、これを単位円へ代入するとx2+(mx+q)2=1,すなわち(1+m2)x2+2mqx+q2−1=0.(1)(1)
円と直線が交わるための条件は、(1) の判別式が0以上であること
だから(2mq)2−4(1+m2)(q2−1)≧0.整理するとq2≦m2+1,よってq2≦(p−2)2+1.(2)
接するとき (1) は重解をもち、その重解はx=−1+m2mq.これを y=mx+q へ代入するとy=1+m2q.したがって接点は(−(p−2)2+1(p−2)q,(p−2)2+1q).
総評
問題文が明示する1次変換を座標へ正しく作用させれば、その後は単位円と
直線の標準的な位置関係になる。目安時間は16分。接点座標は符号を誤り
やすいため、円周上にあり直線上にもあることを代入で確認した。
2解法は距離公式と判別式で独立に同じ領域・接点を得ている。この問題は
原問題自体が行列を扱うため、行列の使用対象である。
冊子PDFで見る名大の行列の問題で問題集を作る
出典: 名古屋大学 1990年度 前期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。