方針
とおいて、行列 の働きを2方向に分ける。 と を分け、必要性と具体的な平方根行列による十分性を示す。
解答
点 に対して とおく。行列 により が に移るとすると であるから である。つまり で見ると、 はと同じ働きをする。
まず の場合を考える。このとき である。 を同じ の座標で表した行列をとおく。 だからより が成り立つ。
もし ならば なので、 の2つの対角成分は となって等しい。これは に反する。したがって であり、 でなければならない。よって が必要である。すなわち が必要である。
逆に ならば 、 である。、 とおきとすれば、直接計算によりとなる。したがって では が必要十分である。
次に の場合を考える。このとき である。 ならば でよい。 のときは とおけばについてである。よって ではすべての実数 が可能である。
以上より、求める範囲は である。図示すると、2直線 、 にはさまれる右向きの閉じた領域に、 軸の負の部分を付け加えたものになる。
別解
解法2
方針
の4成分を直接比較する。 では成分条件から が対称形になることを示し、 を導く。 は別に構成する。
解答
行列に対して とする。 ならしたがって かつ である。また対角成分の差からだから である。よってしたがってすなわち が必要である。
逆に ならとおきとすれば となる。
のとき、 なら とすればよい。
なら としてとすれば となる。
以上より、求める範囲はの領域と、直線 全体との和である。
総評
平方根行列の存在を問うため、単に成分を4つ置いて展開すると計算が重くなる。目安時間は25分。、 によって の働きを2つの倍率に分けるのが中心である。ただし の特例では負の も可能で、ここを と誤って切り捨てやすい。答案では の必要条件、その十分性、 の負の場合の具体例を分けて書くと満点に近い。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合した。問題文が行列・1次変換を明示するため、1992年度当時の高校課程に含まれる2次行列だけを用いている。