方針
反射の法則は、当たった辺を鏡として三角形を反転していく展開図に直すと、玉の道筋が一直線になる。反射順序を調べると、3つの反射点がすべて辺の内部に入る可能性があるのは 、、 の順だけである。、、、 と置き、この順に展開したときの直線と各辺の交点が辺の内部に入る条件を計算する。最終的に となる。
解答
とおく。直角三角形なので 、したがって である。座標を と定める。
反射の法則を使うために、反射する辺を鏡として三角形を次々に展開する。すると、実際の折れ線の経路は展開図では一直線になる。3つの辺すべてに1回ずつ当たる順序を調べると、反射点がすべて辺の内部に入り得るのは の順だけである。他の順序では、展開図で直線が最初または最後に頂点 を通ってしまうか、反射点が対応する辺分の外に出る。
そこで、この順に展開する。すなわち、まず辺 で反射し、次に展開された辺 で反射し、最後に展開された辺 で反射する。3回展開した後の を反射して得た点を とすると、反射計算により である。したがって、展開図での玉の道筋は直線 である。
この直線が、1回目、2回目、3回目の反射辺と交わる点をそれぞれ調べる。各反射辺上で、端点から端点までの割合を計算すると、順にとなる。これらがすべて辺の内部にあるためには、いずれも より大きく より小さくなければならない。
第1、第2の割合が正であるためには が必要であり、第3の割合が正であるためには が必要である。また、それぞれが より小さい条件からも同じく が出る。したがって反射点が3つとも辺の内部に入る条件は である。
さらに、直線 が3つの反射辺をこの順に横切る条件も同じ不等式で表される。実際、直線上の進行割合は となり、これらがこの順に並ぶことは と同値である。
よって である。、 だから である。すなわち求める条件は である。
別解
解法2:三倍角で反射点の内外を判定する
方針
3辺を順に反射して一直線へ展開する点は解法1と同じだが、交点の符号を長い座標式のまま比較せず、三倍角の符号へ読み替える。最初と最後の反射点が辺の内部に入る条件が、 になる。
解答
とする。反射する辺を鏡として三角形を展開すると、玉の経路は一直線になる。
始点 から終点 までに3辺を1回ずつ横切るには、反射順はでなければならない。
この順に3つの三角形を展開する。各交点が対応する辺の内部にあるかを、
展開図の小三角形へ正弦定理を用いて調べると、最初の交点の符号はと同じになり、最後の交点の符号はと同じになる。中間の交点は常に展開辺の中点にある。したがって3交点が
すべて辺の内部にあり、正しい順に並ぶための必要十分条件は の範囲で2条件を同時に満たすのはよって端点では反射点が三角形の頂点に一致し、「各辺で1回ずつ当たる」経路にならないため、
不等号は厳密である。したがってが求める条件である。
総評
反射経路を展開図に直して、反射点が辺の内部に入る条件を読む図形問題である。目安時間は22分。答えの角度範囲だけなら予想しやすいが、3辺にそれぞれ1回ずつ当たるためには、反射順序と反射点の位置を確認する必要がある。可能な順序は実質的に だけであり、座標を置くと条件は に落ちる。端の では反射点が頂点に重なるため、等号を含めない点に注意する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。 図は立式の対応を示す解説図であり、結論には依存しない。