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名古屋大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

複素数α=17i2,β=1+7i2について、次のことを証明せよ。

(1) すべての正整数 n に対してαn+1+βn+1=αn+βn2(αn1+βn1)が成り立つ。

(2) すべての正整数 n に対して
αn+βn は奇数である。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安12

複素数平面数列整数 漸化式の変形数学的帰納法、偶奇性

方針

α+β=1,αβ=2 から共通の2次方程式を作る。(2)は sn=αn+βn の整数性を確認してから、漸化式を偶奇で追う。

解答

(1)
まず α+β=1,αβ=2 である。したがって α,β は2次方程式 z2z+2=0 の2つの解である。よって z=α,β のいずれについても z2=z2 が成り立つ。 n を正整数とする。αβ=2 であるから α,β は0でない。したがって上の式に zn1 を掛けて zn+1=zn2zn1 を得る。ここに z=αz=β をそれぞれ代入するとαn+1=αn2αn1,βn+1=βn2βn1である。両式を加えて αn+1+βn+1=αn+βn2(αn1+βn1) となる。これで(1)が示された。

(2) sn=αn+βn とおく。s0=2s1=α+β=1 であり、(1)より sn+1=sn2sn1(n1) が成り立つ。初めの2項 s0,s1 は整数であり、この漸化式の右辺は整数から作られるので、すべての sn は整数である。

次に偶奇を調べる。漸化式から sn+1sn=2sn1 であるから、sn+1sn は偶数である。したがって sn+1sn は偶奇が同じである。特に s1=1 は奇数なので、s2,s3, もすべて奇数である。

よって、すべての正整数 n に対して αn+βn は奇数 である。

別解

解法2

方針

α+βαβ を使う対称式の恒等式から漸化式を直接導く。その漸化式で整数性と奇数性を同時に帰納する。

解答

(1) α+β=1,αβ=2.恒等式(α+β)(αn+βn)=αn+1+βn+1+αβ(αn1+βn1)にこの2つの値を代入するとαn+1+βn+1=αn+βn2(αn1+βn1)を得る。

(2)

sn=αn+βn とおくとs1=1,s2=(α+β)22αβ=3はいずれも奇数である。(1)よりsn+1=sn2sn1.sn1,sn が奇整数なら右辺も奇整数だから、数学的帰納法により
すべての正整数 n について sn は奇数である。

総評

2つの数を直接累乗するのではなく、和と積から満たす2次方程式を作る問題である。目安時間は12分。採点上は、α+β=1αβ=2 の確認、zn1 を掛けるときに α,β が0でないこと、さらに「奇数」と言うために sn が整数であることを明記したい。偶奇だけを追って整数性を省くと論証が弱くなるので注意する。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合した。行列・行列式・外積・固有値・対角化を用いず、高校数学の範囲内で完結させた。

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出典: 名古屋大学 1992年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。