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名古屋大学 1998年度 後期日程 第2次学力試験 複素数平面・積分理系(後期)数学 第4問(a)

(1) 複素数0,i1+iおよびzを表す複素数平面上の点をそれぞれABCおよびPとする.
Pが三角形ABCの辺上を1周するとき,w=z2+2z+1によって定められる点Qが描く図形を求め,複素数平面上に図示せよ.

(2) この図形が囲む領域の面積を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

複素数平面積分 座標設定軌跡面積計算

方針

写像は w=z2+2z+1=(z+1)2 なので、三角形の3辺をそれぞれ媒介変数で表し、w=u+viu,v の関係を求める。像は3本の放物線弧で囲まれる。面積は上下ではなく左右の境界で分け、0v22v4 に分けて横幅を積分する。

解答

(1) w=z2+2z+1=(z+1)2 である。w=u+vi とおき、三角形 ABC の各辺の像を調べる。

AB では z=ti0t1 とおける。したがって w=(1+ti)2=1t2+2ti である。よって u=1t2,v=2t だから u=1v24(0v2) を描く。この弧は (1,0) から (0,2) へ進む。

BC では z=t+i0t1 とおける。すると w=(1+t+i)2=t2+2t+2(1+t)i である。よって u=t2+2t,v=2(1+t) となり、u=v241(2v4) を描く。この弧は (0,2) から (3,4) へ進む。

CA の点は z=t(1+i)0t1 と表せる。この向きは A から C への向きだが、図形としての像は同じである。このとき w=(1+t+ti)2=1+2t+2t(1+t)i である。よって u=1+2t,v=2t(1+t) であり、t=(u1)/2 を代入して v=u212(1u3) を得る。この弧は (1,0)(3,4) を結ぶ。

以上より、求める図形は u=1v24(0v2), u=v241(2v4), v=u212(1u3) の3本の放物線弧で囲まれる図形である。頂点は (1,0),(0,2),(3,4) である。

(2)
面積を v 方向の横幅で求める。弧 CA の像は v=u212 であり、囲まれた領域では右側の境界として u=2v+1 と書ける。

一方、左側の境界は 0v2 では辺 AB の像 u=1v24 であり、2v4 では辺 BC の像 u=v241 である。したがって面積 SS=02{2v+1(1v24)}dv+24{2v+1(v241)}dvである。

まず042v+1dv=[(2v+1)3/23]04=2713=263である。また02(1v24)dv=[vv312]02=43であり、24(v241)dv=[v312v]24=83である。よって S=2634383=143 である。

別解

解法2

方針

3辺の像を同じ3本の放物線弧として求めた後、今度は u を固定した縦の切片で面積を測る。0u11u3 で下側境界が変わるため2つの定積分に分け、2 を含む項が打ち消し合うことまで確認する。

解答

(1)
w=u+vi とおく。3辺の像を媒介変数で表すと、像の式範囲ABu=1v240v2BCu=v2412v4CAv=u2121u3となる。従って頂点 (1,0),(0,2),(3,4) を結ぶ3本の放物線弧が求める図形である。

(2)
縦に切るため各弧を v について解く。0u1 では21uv2u+1,1u3 ではu212v2u+1.よって面積はS=01{2u+121u}du+13{2u+1u212}du.第1項は83(21),第2項は223823なのでS=143.

総評

複素数の二次写像で境界を追い、放物線弧に囲まれた面積を出す問題で、想定時間は30分程度。w=(z+1)2 として各辺を媒介変数表示するところが第一の山である。面積計算では、弧 CA を右境界 u=2v+1 と見て、左境界が v=2 を境に切り替わることを図で確認したい。媒介変数の向きと図形としての境界を混同すると符号や区間を誤りやすい。

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出典: 名古屋大学 1998年度 後期 理系 第4問(a)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。