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名古屋大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験 複素数平面文系数学 第3問(b)

複素数z (z1)に対し,f(z)=z1z+1とおく.
このとき,以下の問に答えよ.

(1) f(f(z))=z+1をみたすzを求めよ.

(2) 複素数平面上で3点0,αf(f(α))が正三角形をなすとき,複素数αを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

複素数平面 式変形、複素数の極形式、回転・拡大

方針

まず分数式を直接代入して f(f(z)) を簡単にし、定義できない値 z=0,1 を除いて扱う。(2)では3点 0,α,f(f(α)) のうち、原点から出る2本の辺の比を見れば正三角形条件を表せる。すなわち f(f(α))/α が偏角 ±π/3 の単位複素数になることを使い、α2 の方程式に帰着する。

解答

(1) z1f(z)=z1z+1 である。さらに f(f(z)) を考えるには f(z)1 が必要であるが、f(z)=1z1=(z+1)、すなわち z=0 を与える。したがって z0,1 で計算する。

直接代入するとf(f(z))=z1z+11z1z+1+1=2z+12zz+1=1zである。条件 f(f(z))=z+11z=z+1 であり、z0 だから z2+z+1=0 となる。よって z=1±3i2 である。これらはいずれも 0,1 ではない。

(2) α0,1 として f(f(α))=1α である。3点 0,α,1/α が正三角形をなすには、原点から見た2つのベクトル α1/α の長さが等しく、なす角が 60 であればよい。したがって 1/αα=cosπ3±isinπ3 が成り立つ。すなわち 1α2=cosπ3±isinπ3 である。

ここで ω=cosπ3+isinπ3 とおく。上の式は α2=ω1またはα2=ω である。したがって α2=cos2π3+isin2π3 または α2=cos4π3+isin4π3 となる。これらの平方根を取るとα=cosπ3+isinπ3,cos4π3+isin4π3,α=cos2π3+isin2π3,cos5π3+isin5π3である。よってα=12±32i,12±32iである。

別解

解法2

方針

合成 f(f(z))=1/z を求めた後、正三角形条件を距離から始める。まず α=1 を得て α=cosθ+isinθ と置き、1/α との偏角差が ±π/3 であることから4つの角を列挙する。

解答

直接計算すると、z0,1f(f(z))=1zである。

(1) 1z=z+1より z2+z+1=0 である。従ってz=1±3i2.(2)
正三角形の原点から出る2辺の長さが等しいのでα=1α.従って α=1 でありα=cosθ+isinθと置ける。このとき1α=α=cos(πθ)+isin(πθ).2本の辺のなす角が 60 だからπ2θ±π3(mod2π).従ってθπ3, 2π3, 4π3, 5π3(mod2π).よってα=12±32i,12±32i.

総評

合成分数式では z=0,1 の定義域を先に確認する。正三角形条件は長さだけでなく偏角差60度まで必要であり、平方根または偏角合同式から4解が出る。求めた4点はいずれも単位円上にあり、原点と 1/α とともに正三角形を作ることを確認できる。

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出典: 名古屋大学 1999年度 前期 文系 第3問(b)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。