方針
行列 は列ベクトル と行ベクトル の積として見られるため, が成り立つ。さらに も直接計算し,条件を に落とす。(1) は 側,(2) は 側として分け, から を決める。
解答
まずと書ける。したがってである。またである。よってとなる。列ベクトル は零ベクトルではないので,問題の条件は と同値である。
(1) ならば,上で得た式より である。したがって条件 から が従う。ゆえに である。
(2) より であるから である。このときである。さらに なので である。ここで は左上成分が1であるから零行列ではない。したがって となる。よって から である。 のときである。 のときである。以上が求める である。
行列 の像は1本の直線上
別解
解法2
方針
が任意のベクトルを の定数倍へ写すことを使う。
写像を2回行ったときの倍率から、問題の2条件をそれぞれ処理する。
解答
任意の列ベクトルに対してである。特によって与えられた条件はと同値である。
(1)
なら であるから である。
任意のベクトルは1回目で の倍数へ写り、2回目には倍率 が掛かる。
したがって である。
(2)
より である。このとき の像の直線上では
は 倍として作用するので だから より を得る。したがってまたはである。
総評
難度は10段階中6、計算量は10段階中5。目安時間は18分から22分。鍵は,いきなり成分をすべて展開するのではなく, を列ベクトルと行ベクトルの積として見て を得ることである。条件 は という分岐を作るため,(1) と (2) の仮定がどちらの分岐に対応するかを明確に書くとよい。(2) では の確認を入れてから係数を0にするのが安全である。