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名古屋大学 1992年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

行列X=(t11t)(t は実数)による xy 平面上の1次変換を考える。
中心 (0,a)、半径1の円をこの変換で移した図形を C とする。
ただし a>1 とする。

(1) Cx 軸と交わるような t の範囲を
a を用いて表せ。

(2) Cx 軸、y 軸のいずれとも接するような
a,t の値を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安15

行列図形と方程式 座標設定円の性質、範囲評価

方針

変換後の中心と半径を求める。(1)は中心から x 軸までの距離が半径以下、(2)は両軸までの距離が半径に等しい条件として整理する。

解答

(1)
点の差を表すベクトル (X,Y) は、変換後に (X,Y)(tX+Y,X+tY) となる。この長さの2乗は (tX+Y)2+(X+tY)2=(t2+1)(X2+Y2) である。したがってこの変換は長さを t2+1 倍する。

中心 (0,a)(0,a)(a,ta) に移るので、C は中心 (a,ta)、半径 t2+1 の円である。 Cx 軸と交わるための条件は、中心から x 軸までの距離が半径以下であることだから tat2+1 である。両辺は0以上なので2乗して a2t2t2+1 すなわち (a21)t21 となる。a>1 より a21>0 だから 1a21t1a21 である。

(2) y 軸に接する条件は、中心から y 軸までの距離が半径に等しいことなので a=t2+1 である。また x 軸に接する条件は ta=t2+1 である。2式を比べると ta=a であり、a>0 より t=1 となる。これを a=t2+1 に代入して a=2 を得る。よって (a,t)=(2,1),(2,1) である。

別解

解法2

方針

変換式を逆に解き、もとの円の方程式へ代入して C の標準形を作る。交点・接点の条件を中心から座標軸までの距離で表す。

解答

(1)

変換後の座標を (X,Y) とするとX=tx+y,Y=x+ty,したがってx=tXYt2+1,y=X+tYt2+1.これをx2+(ya)2=1へ代入すると(Xa)2+(Yta)2=t2+1.よって C の中心は (a,ta)、半径は t2+1 である。
x 軸と交わる条件はtat2+1.a>1 を用いて整理すると1a21t1a21.(2)

両軸へ接する条件はa=t2+1,ta=t2+1.したがって t=1, a=2 であり、(a,t)=(2,1),(2,1).

総評

文系第2問と同じ相似変換の観察に、交わる条件が加わった問題である。目安時間は15分。(1)では接するではなく交わるなので、距離は「以下」になる。a>1 の条件により不等式を t2 について割れる点も明記したい。(2)では両軸への接触をそれぞれ距離で書き、絶対値を保ったまま整理するのが安全である。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合した。問題文が行列・1次変換を明示するため、1992年度当時の高校課程に含まれる2次行列だけを用いている。

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出典: 名古屋大学 1992年度 前期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。