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名古屋大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

aを正の定数とする.f(x)=x2aとして,グラフy=f(x)上の点(xn,f(xn))における接線が
x軸と交わる点のx座標をxn+1とする.
このようにして,x1から順にx2,x3,x4,を作るとき,
次の問に答えよ.ただし,x1>aとする.

(1) xn+1xnを用いて表せ.

(2) a<xn+1<xnであることを示せ.

(3) xn+1a<12xnaであることを示せ.

(4) limnxnを求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安20

微分数列 接線・法線漸化式の変形、はさみうち

方針

接線の x 軸との交点を求めると,反復式 xn+1=(xn+a/xn)/2 が出る。xn>a を仮定して,xn+1axnxn+1 をどちらも因数分解された形で表すと,単調性と下からの評価が同時に分かる。さらに a との差が毎回半分より小さくなることを示し,極限を決定する。

解答

(1) f(x)=x2a なので,点 (xn,f(xn)) における接線の傾きは f(xn)=2xn である。したがって接線の方程式は y=2xn(xxn)+xn2a である。この接線が x 軸と交わる点では y=0 だから 0=2xn(xxn)+xn2a となる。これを x について解くと 2xnx=xn2+a であり,xn+1=12(xn+axn) を得る。

(2) xn>a>0 とする。このときxnxn+1=xn12(xn+axn)=xn2a2xn=(xna)(xn+a)2xn>0である。よって xn+1<xn である。

またxn+1a=12(xn+axn)a=xn22axn+a2xn=(xna)22xn>0である。したがって a<xn+1<xn が成り立つ。特に,この不等式を繰り返し用いることで,すべての n について xn>a である。

(3)

(2) で得た式からxn+1a=(xna)22xn=xna2xnxnaである。ここで 0<xna<xn だから 0<xna2xn<12 である。よって xn+1a<12xna である。

(4)

(2) より,数列 {xn} は単調減少で,しかも下から a でおさえられている。したがって極限を持つ。その極限を α とする。

(3) を繰り返すと 0<xna<(12)n1(x1a) である。右辺は n で0に近づくので,はさみうちにより limn(xna)=0 である。したがって limnxn=a である。

接線で a へ近づく反復

別解

解法2

方針

yn=xn/a と無次元化する。さらに
un=(yn1)/(yn+1) とおくと un+1=un2 となり、
反復の収束が明示的に分かる。

解答

(1)
接線と x 軸の交点を求めるとxn+1=12(xn+axn).(2)yn=xn/a>1 とおくとyn+1=12(yn+1yn).ここでyn+11=(yn1)22yn>0,ynyn+1=yn212yn>0.よって a<xn+1<xn である。

(3)
上の第1式からyn+11yn1=yn12yn<12.a を掛ければxn+1a<12xna.(4)un=yn1yn+1とおく。0<u1<1 でありun+1=yn+11yn+1+1=(yn1yn+1)2=un2.したがってun=u12n10.yn=(1+un)/(1un) より yn1 である。ゆえにlimnxn=a.

総評

難度は10段階中5、計算量は10段階中4。目安時間は15分から20分。接線の x 切片を丁寧に求めると,平方根を近似する反復式が現れる。重要なのは,xn+1a(xna)2/(2xn) と表す変形である。この形から xn+1a より大きいこと,しかも誤差が半分未満になることが一度に分かる。極限は漸化式に代入しても求められるが,本問では(3)の評価を使うと収束先まで自然につながる。 2解法の結論を照合し、条件の必要十分性、端点、符号、定義域、等号成立条件を再確認した。図は論証を補助するものに限定し、縮尺に依存しない式による説明も併記している。

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出典: 名古屋大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験 理系(後期) 後期 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。