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名古屋大学 2001年度 前期日程 第2次学力試験 複素数平面・場合の数理系数学 第4問(a)

nを3以上の自然数とする.
有限複素数列z1,z2,,znの各項はいずれも方程式z6=1の解の一つであり,
かつ,関係式z1+z2++zn=0を満たしているとする.

(1) z1,z2,,znの中に1が含まれ,1が含まれていないとすれば,
12+32i1232i
いずれもz1,z2,,znの中に含まれることを示せ.

(2) n=6のとき,(1)のような複素数列z1,z2,,znのとり方の個数を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

複素数平面場合の数 実部虚部比較、数え上げ、場合分け

方針

6乗根を6種類に分け、それぞれの出現回数を文字で置く。1 は含まれないのでその個数を0とし、実部と虚部の和がともに0である条件を立てる。(1)は、もし 1/2+3i/2 または 1/23i/2 が含まれないと仮定すると、実部・虚部の条件から 1 の個数が0になり矛盾することを示す。(2)は n=6 の個数方程式を解き、最後に同じ値をもつ項を含む数列の並べ方を数える。

解答

(1)

6乗根を1,1,12+32i,12+32i,1232i,1232iと並べる。

それぞれの出現回数を a,0,c,d,e,f とおく。ここで 1 は含まれないので、その個数は0である。また 1 が含まれるので a>0 である。

和が0であることから、虚部を比較して c+d=e+f を得る。また実部を2倍して比較すると 2a+cde+f=0 である。

まず 12+32i が含まれないと仮定する。これは d=0 を意味する。虚部の式から c=e+f である。これを実部の式に代入すると 2a+(e+f)e+f=0 すなわち 2a+2f=0 となる。しかし a>0f0 なのでこれは不可能である。したがって 12+32i は必ず含まれる。

同様に、1232i が含まれない、すなわち e=0 と仮定すると、虚部の式から f=c+d である。これを実部の式に代入して 2a+cd+(c+d)=0 すなわち 2a+2c=0 となり、やはり a>0 に反する。よって 1232i も必ず含まれる。

(2) n=6 とし、(1)と同じ記号を用いる。条件は a+c+d+e+f=6,c+d=e+f,2a+cde+f=0 である。

虚部の式から e=c+df である。これを実部の式に代入すると 2a+cd(c+df)+f=0 より a+f=d である。さらに e=c+df=c+a である。

したがって個数の総和は a+c+(a+f)+(a+c)+f=3a+2c+2f=6 である。a>0 なので、a は正の整数である。上式から a は偶数でなければならず、可能なのは a=2,c=0,f=0 だけである。したがって d=2,e=2 である。

つまり、6個の項は1,1,12+32i,12+32i,1232i,1232iに限られる。これらを数列として並べる通り数は、同じものが2個ずつあるので 6!2!2!2!=90 である。

別解

解法2(6乗根の二次関係を使う)

方針

原始6乗根 ω に対する
ω2ω+1=0 を使い、6種類の根を 1,ω の一次式で表す。
和の定数項と ω の係数を比較して個数を決める。

解答

ω=12+32i とする。
6乗根を 1,ω,ω2,ω3,ω4,ω5 とし、
その出現回数を a0,,a5 と置く。
条件よりa3=0,a0>0.ω2ω+1=0 からω2=ω1,ω3=1,ω4=ω,ω5=1ω.したがって和が0である条件はa0a2a3+a5=0,a1+a2a4a5=0.(1)

ω2 が含まれないなら a2=0 であり、
第1式は a0+a5=0 となって a0>0 に反する。
また ω4 が含まれないなら a4=0 である。
第2式から a5=a1+a2、これを第1式へ入れるとa0+a1=0となり、やはり a0>0 に反する。
よってω2=12+32i,ω4=1232iはいずれも含まれる。

(2)

a3=0 のもとで2式を解くとa2=a0+a5,a4=a0+a1.総数が6だから3a0+2a1+2a5=6.a0 は正の整数なので、唯一の可能性はa0=2,a1=a5=0,a2=a4=2.したがって3種類が2個ずつであり、数列の個数は6!2!2!2!=90である。

総評

難度6、計算量6。6乗根を図形的に見るだけでなく、出現回数を置いて実部・虚部の条件に落とすのが確実である。採点上は、1 の個数を0、1 の個数を正として扱うこと、(1)で片方がないと仮定して矛盾を出すことが重要である。(2)では個数分布が一意に決まることを示したうえで、最後に「数列」なので順序の並べ方 6!/(2!2!2!) を数える。目安は20分程度。 2つの解法は標準的な答案手順と、別の構造から検算できる経路に分けた。必要性と十分性、場合分け、等号条件を明示し、積分・総和・極限と主要な分数は読みやすい表示形式に統一した。

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出典: 名古屋大学 2001年度 前期 数学 第4問(a)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。