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名古屋大学 2002年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

つぎの各問に答えよ.ただし,iは虚数単位である.

(1) 複素数zと共役な複素数をzとするとき,任意の整数nに対して,
つぎの(a),(b)が成り立つことを示せ.ただし,z0とする.

(a) zn+(z)nは実数である.

(b) zn(z)nは0または純虚数である.

(2) θ1θ2pqを実数とし,θ1+θ2=π,α=p+qi,β=p+qiとするとき,つぎの各問に答えよ.ただし,α0とする.

(a)An=αncosnθ1+βncosnθ2,Bn=αnsinnθ1+βnsinnθ2とするとき,任意の整数nに対して,つぎの(i),(ii)が成り立つことを示せ.

(i) Anは実数である.

(ii) Bnは0または純虚数である.

(b) z1=cosθ1+isinθ1z2=cosθ2+isinθ2とし,
Cn=(αz1)n+(βz2)nとするとき,
任意の整数nに対してCnは実数であることを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

複素数平面論証・証明 実部虚部比較、複素数の極形式、必要十分条件

方針

(1) は複素数の共役と整数乗の関係を用いる。z0 なので負の整数乗についても zn=zn が成り立つことに注意する。(2a) は θ2=πθ1, β=α を使い、An,Bnαnαn の和・差に直して実数性と純虚数性を示す。(2b) は z2=z1 を見抜き、βz2=αz1 に帰着させる。

解答

(1) z0 であり、n は整数である。正の整数乗では明らかに zn=zn であり、負の整数乗についてもzm=1zm=1zm=1zm=zmが成り立つ。したがってすべての整数 nzn=zn である。

よってzn+zn=zn+zn=zn+znだから、zn+zn は実数である。また、znzn=znzn=(znzn)であるから、znzn は純虚数である。すなわちzn+zn は実数,znzn は純虚数である。

(2)
(a) θ1+θ2=π より θ2=πθ1 である。また β=p+qi=(pqi)=α である。

したがって cosnθ2=cos(nπnθ1)=(1)ncosnθ1 であり、sinnθ2=sin(nπnθ1)=(1)n+1sinnθ1 である。また βn=(α)n=(1)nαn である。これらを用いるとAn=αncosnθ1+βncosnθ2=αncosnθ1+αncosnθ1だから An=(αn+αn)cosnθ1 である。(1) より αn+αn は実数であり、cosnθ1 も実数なので、An は実数である。

同様にBn=αnsinnθ1+βnsinnθ2=αnsinnθ1αnsinnθ1だから Bn=(αnαn)sinnθ1 である。(1) より αnαn は純虚数であり、sinnθ1 は実数なので、Bn は純虚数である。

よって An は実数,Bn は純虚数 である。

(b) z1=cosθ1+isinθ1,z2=cosθ2+isinθ2 とおく。θ2=πθ1 だから z2=cosθ1+isinθ1=z1 である。また β=α より βz2=(α)(z1)=αz1 となる。

したがってCn=(αz1)n+(βz2)n=(αz1)n+(αz1)nである。(1) を z=αz1 に適用すれば、この和は実数である。よって Cn は実数である である。

別解

解法2

方針

極形式で共役を表し、和が余弦、差が正弦に比例することを使う。(2)では β=αz2=z1 の二つの符号が打ち消し合う。

解答

(1)
z=reiφ とおく。任意の整数 n に対しzn+zn=2rncosnφは実数でありznzn=2irnsinnφは0または純虚数である。

(2)
θ2=πθ1, β=α だからAn=(αn+αn)cosnθ1,Bn=(αnαn)sinnθ1.前者は実数、後者は0または純虚数である。またz2=z1,βz2=αz1.したがってCn=(αz1)n+(αz1)nは実数である。

総評

難度は6、計算量は5。目安時間は18分。任意の整数には負の整数も含まれるため、共役と負の整数乗が交換できることを ze0 のもとで確認する。(2)は β=α, z2=z1 を早めに使う。記号は問題文どおり An,Bn,Cn に統一する。

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出典: 名古屋大学 2002年度 後期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。