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名古屋大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験 複素数平面理系数学 第4問(b)

次の問いに答えよ.
ただし,偏角θは,0θ<360の範囲で考えるものとする.

(1) z+i=ziを満たす複素数zは,実数に限ることを示せ.

(2) 複素数平面上でzが実軸上を動くとき,
複素数z+iの偏角arg(z+i)の動く範囲を求めよ.

(3) zを未知数とする方程式(z+i)9=(zi)9のすべての解zについて
z+iの偏角arg(z+i)を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安14

複素数平面 図形的解釈、複素数の極形式、必要十分条件

方針

(1)z=x+yi とおいて、点 ii からの距離が等しい点の集合を計算する。(2) は z+i が虚部1の水平直線上を動くことから、偏角が 0180 の間を動くと読む。(3) はまず絶対値を比較して z+i=zi を得るので、(1) より z は実数である。すると ziz+i の共役であり、偏角は 360θ になる。9乗して等しい条件を偏角の合同式に直す。

解答

(1) z=x+yi とおく。このとき z+i=x+(y+1)i,zi=x+(y1)i であるから、z+i2=x2+(y+1)2,zi2=x2+(y1)2 である。 z+i=zi なら、両辺を2乗して x2+(y+1)2=x2+(y1)2 となる。これを整理すると 4y=0 であるから y=0 である。したがって z は実数である ことが示された。

(2) z が実軸上を動くとき、z+i は虚部が1の直線 Imw=1 上を動く。この直線は上半平面にあり、原点を通らない。したがって偏角は 0 より大きく 180 より小さい。

また、z+ で偏角は 0 に近づき、z で偏角は 180 に近づくが、どちらにも等しくならない。よって範囲は 0<arg(z+i)<180 である。

(3) 方程式 (z+i)9=(zi)9 の両辺の絶対値を比べると z+i9=zi9 である。したがって z+i=zi であり、(1) より z は実数である。 θ=arg(z+i) とおくと、(2) より 0<θ<180 である。z は実数なので、ziz+i の共役であり、その偏角は 360θ である。

9乗が等しいためには、偏角が 360 の整数倍だけ違えばよい。したがって 9θ9(360θ)(mod360) である。これは 18θ0(mod360) と同値だから、θ=20k となる。0<θ<180 より k=1,2,3,4,5,6,7,8 である。

逆に、これらの偏角をもつ実数 z は実際に存在し、そのとき z+izi は共役で、上の合同式を満たすので9乗は等しい。よって求める偏角は20,40,60,80,100,120,140,160である。

別解

解法2

方針

9乗方程式を9乗根の比に直す。(z+i)/(zi) は1以外の9乗根であり、それぞれについて z を解くと実数 z=cot(kπ/9) が得られる。そこから z+i の偏角を直接読む。

解答

(1)
z=x+yi とおくとz+i2zi2=(y+1)2(y1)2=4y.したがって等距離条件から y=0、すなわち z は実数である。

(2)
z+i=z+1i は上半平面の水平直線上を動くので0<arg(z+i)<180.(3)
zi0 であり(z+izi)9=1.比は1にならないからz+izi=e2πki/9(k=1,2,,8).ϕ=kπ/9 とおくと、これを z について解いてz=i1+e2iϕ1e2iϕ=cotϕ.よってz+i=cosϕ+isinϕsinϕであり、0<ϕ<π だから偏角は ϕ である。したがって20,40,60,80,100,120,140,160を得る。

総評

難度は5、計算量は5。目安時間は14分。絶対値の比較から z が実数になることを先に示し、共役な二数の偏角へ帰着する。偏角の範囲は端点を含まない。9乗根を使う解法では比が1にならないこと、k=1,,8 の全てが実際の解を与えることを確認する。

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出典: 名古屋大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。