Evolton

名古屋大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

abを正数とし,xy平面で不等式
{x(1a)}2a2+y2b21
の表す領域Dと,
不等式x2+y21の表す領域Eを考える.

(1) a=2b=1の場合に,領域Dを図示せよ.

(2) DEに含まれるためのabの条件を求め,
ab平面上でその条件の表す領域を図示せよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安22

図形と方程式 パラメータ処理、範囲評価、グラフの概形

方針

(1) は楕円の中心と半径を読み取って図示する。(2) では楕円 D の点を x=1a+au, y=bv, u2+v21 とパラメータ表示する。単位円 E に含まれるためには x2+y21 がすべての (u,v) で成り立てばよい。固定した u では y2 が最大となる境界 v2=1u2 を調べれば十分で、そこで得られる式を一次式の端点評価に帰着する。

解答

(1) a=2, b=1 のとき、領域 D(x+1)24+y21 で表される。したがって中心は (1,0) であり、横方向の半径は2、縦方向の半径は1である。左右の端点は (3,0),(1,0) で、上下の端点は (1,1),(1,1) である。この楕円の内部を図示すればよい。

(2) D の点は x=1a+au,y=bv,u2+v21 と表せる。固定した u に対して x2+y2v2 が大きいほど大きくなるので、DE の判定には境界 v2=1u2(1u1) を調べればよい。

このとき x2+y21=(1a+au)2+b2(1u2)1 である。これを整理すると x2+y21=(u1){(a2b2)ua2+2ab2} となる。 1u1 では u10 であるから、すべての ux2+y210 となるためには L(u)=(a2b2)ua2+2ab2[1,1] で0以上であればよい。L(u) は一次関数なので、端点を調べれば十分である。 L(1)=2a(1a),L(1)=2(ab2) である。a,b は正数だから、条件は a1,b2a である。

したがって求める条件は 0<a1,0<ba である。ab 平面では、a 軸方向に 0<a1 の範囲を取り、その上で曲線 b=a の下側、ただし b>0 の部分である。

別解

解法2

方針

楕円の境界を u=cosθ, v=sinθ で表し、原点からの距離が1以下になる条件を調べる。右端 (1,0) が常に単位円上にあるため、距離の差には u1 が因数として現れる。

解答

(1)
a=2, b=1 のとき(x+1)24+y21.中心は (1,0)、横半径2、縦半径1であり、この楕円の内部が D である。

(2)
楕円の境界をx=1a+au,y=bv,u2+v2=1と表す。v2=1u2 を代入するとx2+y21=(u1){(a2b2)ua2+2ab2}.1u1 では u10 なので、後ろの一次式が区間全体で非負であればよい。両端で調べると2a(1a)0,2(ab2)0.a,b>0 と合わせて0<a1,0<ba.ab 平面では、曲線 b=a の下側で 0<a1, b>0 の領域である。

総評

難度は7、計算量は7。目安時間は22分。楕円全体が単位円に含まれる条件は、境界上の原点距離の最大値で判定する。右端 (1,0) が常に共通点なので式に u1 が現れ、残る一次式は端点だけを調べればよい。最終領域では a,b が正である条件を落とさない。

冊子PDFで見る名大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 名古屋大学 2002年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。