方針
点 R(x,y) を円周上に置き、d<y≦1 として1変数化する。直線 OR は原点と (x,y) を結ぶので、水平線 y=d との交点 S は (dx/y,d) である。一方、垂線の足 T は (x,d) なので、ST=∣x∣(1−d/y) となる。x2=1−y2 を使って ST2 を y の関数にし、微分して y3=d で最大になることを示す。
解答
点 R を R=(x,y) とおく。R は円周 x2+y2=1 上で y>d にあるから d<y≦1,x2=1−y2 である。
直線 OR 上の点は λR=(λx,λy) と表せる。これが直線 y=d 上にあるとき λy=d であるから λ=yd である。したがって S=(ydx,d) である。また、点 R から水平線 y=d へ下ろした垂線の足は T=(x,d) である。
よって ST=x−ydx=∣x∣(1−yd) である。y>d>0 なので括弧内は正である。したがって ST2=(1−y2)(1−yd)2 である。 F(y)=(1−y2)(1−yd)2(d<y≦1) とおく。整理して微分すると F′(y)=−y32(y−d)(y3−d) である。区間 d<y≦1 では y−d>0, y3>0 である。したがって F′(y) の符号は −(y3−d) の符号で決まる。 0<d<1 なので d<3d<1 である。よって F(y) は d<y<3d で増加し、3d<y<1 で減少する。したがって最大は y=3d のときに生じる。
このときST=1−d321−d31d=1−d32(1−d32)である。ゆえに最大値は (1−d32)23 である。
別解
解法2(対数微分で最大点だけを求める)
方針
座標から ST を出すところまでは同じだが、正の関数 ST を対数微分する。積の微分を展開せず、最大条件 y3=d を短く導く。
解答
点 R=(x,y) とするとS=(ydx,d),T=(x,d),したがってST=∣x∣(1−yd)=1−y2yy−d(d<y<1).H(y)=ST とおく。区間内部では H(y)>0 なので、対数微分するとH(y)H′(y)=−1−y2y+y−d1−y1.右辺を通分するとH(y)H′(y)=y(1−y2)(y−d)d−y3.分母は正だから、H′(y) は y3<d で正、y3>d で負である。よって最大はy=3dのときに生じる。
この値を代入するとSTmax=1−d321−d32=(1−d32)23.
総評
円上の点をそのまま (x,y) と置き、水平線との交点を出すと短く解ける問題である。目安時間は15〜18分。S=(dx/y,d)、T=(x,d) が出れば、あとは ST2 の1変数最大化になる。微分後は d<3d<1 を確認し、最大点が区間内にあることを明示する。最後の値では 1−d/d31=1−d32 となるため、平方根と掛け合わせて (1−d32)23 に整理する。
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出典: 名古屋大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。