方針
乙は必ず外れカードを1枚取り除くので、手順〔3〕はモンティ・ホール型の比較になる。〔3〕で交換しない場合の当たり確率は 、交換する場合は最初に外れを取っていた確率と、残った 枚から当たりを選ぶ確率の積で求める。〔5〕では、手順〔4〕で外れカードが戻されて残りが 枚に戻るため、現在手持ちが外れである場合だけ交換で当たりを引ける。(4)では戻されたカードが新たに当たりになる可能性を、現在の手持ちが当たりの場合と外れの場合に分けて数える。
解答
(1)
〔3〕で交換しない場合、甲の手持ちが当たりである確率は、最初に当たりを取っていた確率のままなので である。
一方、〔3〕で交換する場合を考える。最初に甲が外れを取っていた確率は である。このとき、乙は残ったカードの中から外れを1枚取り除くので、並べてあるカードは 枚になり、その中に当たりが1枚含まれる。甲がその中から1枚と交換するとき、当たりを取る確率は である。したがって交換した場合の当たり確率は である。 だから、〔3〕では交換した方が当たりである確率が高い。
(2)
〔3〕で交換した後の当たり確率を とおく。これは(1)より より大きい。
この状態で〔5〕でも交換すると、現在の手持ちが当たりである場合は交換によって外れになる。現在の手持ちが外れである場合だけ、並べてある 枚の中の当たりを選べばよい。したがって〔5〕で交換した後の当たり確率は である。これと を比べると である。よって、〔3〕で交換した後に〔5〕でさらに交換するのは不利である。
また、〔3〕で交換しない場合は当たり確率が であり、〔5〕で交換しても、最初の手持ちが外れだった場合に残り 枚から当たりを選ぶだけなので確率はやはり である。したがって最も高くする方法は である。
(3)
(2) で見たように、〔3〕で交換しない場合は、〔5〕で交換してもしなくても当たり確率は である。一方、〔3〕で交換し、さらに〔5〕でも交換する場合の当たり確率は である。これは より より小さい。
したがって、手順の終了時に当たりである確率を最も低くするには とすればよい。
(4)
問(2)の方法では〔5〕で交換しないので、〔4〕で戻されたカードに新たな印がついても甲の手持ちには影響しない。したがって である。
問(3)の方法では〔3〕で交換し、〔5〕でも交換する。〔3〕後に甲の手持ちが当たりである確率は 、外れである確率は である。
もし手持ちが当たりであるなら、並べてあるカードの中に本来の当たりはない。ただし、〔4〕で戻されたカードに確率 で印がつくので、〔5〕で交換して当たりを得る確率は である。
もし手持ちが外れであるなら、並べてあるカードの中には本来の当たりが1枚ある。さらに、戻されたカードに確率 で印がつく。したがって、〔5〕で選ぶカードが当たりである確率は である。
よって である。 は と同値である。整理すると であり、 を代入して である。確率の範囲も含めると条件はである。これはでは実現できるが、では条件を満たすは存在しない。
別解
解法2(4方針の比較表)
方針
〔3〕直後の当たり確率をとし、〔5〕の交換をと表す。4方針を表で比較する。
解答
(1)
交換しなければである。交換する場合はであり、だから交換する方が高い。
(2)
〔5〕前の当たり確率がなら、交換後はである。よってである。より、
最大は「〔3〕で交換し、〔5〕では交換しない」である。
(3)
同じ表から、最小は「〔3〕でも〔5〕でも交換する」である。
(4)
最大方針ではである。最小方針を場合分けするとしたがってゆえにである。
ではこの範囲は空である。
総評
難度7、計算量7。目安時間は28〜35分。〔3〕後の当たり確率をと置き、4方針を表で比較すると安全である。〔4〕で戻す札に印を加える場合は、印付き札が2枚になり得る点を場合分けへ反映する。結論はであり、では該当値がない。