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名古屋大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

サイコロをn回投げて,3の倍数がk回出る確率をPn(k)とする.
nについて,Pn(k)を最大にするkN(n)とする.
ただし,このようなkが複数あるときは,
最も大きいものをN(n)とする.

(1) Pn(k+1)Pn(k)を求めよ.

(2) n2のとき,
N(n)nを最小にするnと,
そのときのN(n)nの値を求めよ.

(3) limnN(n)nを求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

確率場合の数数列 計算整理、場合分け、極限計算

方針

3の倍数が出る確率は 26=13 なので、Pn(k) は二項型の確率である。隣接比 Pn(k+1)Pn(k) を求めると、Pn(k) がどこまで増加し、どこから減少するかが分かる。最大にする k は、同じ最大値が2つある場合は大きい方を選ぶので、n=3m1,3m,3m+1 に分けて N(n) を決める。その表示から N(n)/n の最小値と極限を読む。

解答

(1)
さいころの目のうち3の倍数は 3,6 の2つである。したがって1回で3の倍数が出る確率は 26=13 である。よってPn(k)=nCk(13)k(23)nkである。したがってPn(k+1)Pn(k)=nCk+1nCk12=nkk+112=nk2(k+1).(2)
(1)より Pn(k+1)Pn(k) となる条件は nk2(k+1)1 すなわち nk2k+2 である。これは 3kn2 と同値である。

したがって、Pn(k) はこの条件を満たす間は増加し、満たさなくなると減少する。最大値が2つ並ぶ場合は大きい方の k を選ぶことに注意して、n を3で割った余りで分ける。 n=3m1 のとき、k=m1Pn(m)Pn(m1)=1 となるので、k=m1,m が同じ最大値をとる。大きい方を選ぶから N(n)=m である。 n=3m のときは k=m1 から k=m へは増加し、その次から減少するので N(n)=m である。 n=3m+1 のときも最大は N(n)=m である。よって{N(3m1)=m,N(3m)=m,N(3m+1)=mである。

これよりN(3m1)3m1=m3m1,N(3m)3m=13,N(3m+1)3m+1=m3m+1である。最も小さくなりうるのは第3の場合で、m3m+1m1 で増加する。したがって最小は m=1、すなわち n=4 のときであり、その値は 14 である。

(3)
(2)の表示から、どの場合も N(n)n/3 との差が高々1である。
またm3m1,13,m3m+1はいずれも m13 に近づく。したがってlimnN(n)n=13.

別解

解法2(最頻値の整数条件として整理)

方針

最大点 k では左隣から減らず、右隣へ増えない。この2本の不等式を同時に解き、N(n)=(n+1)/3 を直接得る。

解答

(1) Pn(k)=nCk(13)k(23)nkよりPn(k+1)Pn(k)=nk2(k+1).(2)

k が最大点であるためにはPn(k)Pn(k1),Pn(k)Pn(k+1)であればよい。隣接比から、これは3kn+1,3kn2に対応する。同率の最大点が2つあるときは大きい方を選ぶのでN(n)=n+13.n=3m1,3m,3m+1 に分けるとN(n)n=m3m1,13,m3m+1.第3の値は m1 で増加するため、全体の最小は m=1、すなわちn=4,N(n)n=14である。

(3) N(n)n131nだから、はさみうちによりlimnN(n)n=13.

総評

二項型の確率の最頻値を隣接比で決める問題である。目安時間は15〜18分。(1)の比を出したあと、Pn(k+1)Pn(k)3kn2 と同値になることを利用する。最大値が2つあるときは大きい方を N(n) とする条件があり、n=3m1 の場合に効いてくる。最小値は小さい n で起きるので、表示式から m/(3m+1) の増加も確認しておくと安全である。

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出典: 名古屋大学 2003年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。